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感染症制御プロジェクト

メンバー

プロジェクトリーダー 安居 輝人
プロジェクト研究員 大坪 亮太
協力研究員 早川 正樹、田中 光信、保井 一太
技術補助員 北垣 紀子、清瀬 かりん、深川 有子
事務補助員 渡邉 悦子、長谷 政郎

研究テーマ
1. 感染症、難治疾患に対する免疫バイオロジクスシーズ探索
2. 感染症、免疫病発症機構の解明

研究の目的と背景

 感染症や自己免疫疾患といった難治疾患の治療や予防には、抗体医薬品やワクチンのようなヒト免疫機能を駆動する生物製剤(バイオロジクス)が有用です。我々の研究室では、バイオロジクスの候補(シーズ)探索のために、ヒトの検体を使用しています。ヒトに有用なバイオロジクスの探索は、ヒトの体に尋ねることが近道であると考えているからです。それに加えて、ヒト由来のバイオロジクスは、安全性の観点からも有利です。
 このために我々は、ヒトサンプルより免疫関連遺伝子情報ビックデータを取得することによって、「ヒト」での免疫反応の動きを包括的に捉えることを行っています。このデータを活用することによって、有用な抗体やワクチンターゲットを探索しています。(図1)
 また、バイオロジクスを開発するためには、疾患発症メカニズムの解明が重要です。そこで我々は、重篤なヘルペスウイルス感染症や、病原体によって誘導される自己免疫疾患について、基礎免疫学的な視点から研究を行い、様々な疾患メカニズムの解明を目指して研究を推進しています。

研究内容

1.感染症、難治疾患に対するバイオロジクスシーズ探索

 以下の研究によって、より安全性が高く、特異的に効果を発揮するバイオロジクス開発を推進しています。

1)抗体医薬品の開発へ向けて

 感染症の治療抗体や、輸入血液原料由来特殊免疫グロブリン製剤の代替となる組換え抗体の開発を進めています。EBウイルスの感染と、次世代シークエンサー(NGS)解析を用いた手法によってヒト検体を探索し、最適化を行うことにより、ヒトでの免疫原性が極小化された「ヒト型組換え抗体」を、活性を有したシーズ分子として同定します。

2)次世代コンポーネントワクチンの開発へ向けて(図2)

 感染症予防で用いられるワクチンは、これまで、弱毒化、あるいは無毒化された病原体や毒素が用いられてきましたが、安全性の点で問題となることがありました。このことから、我々の研究室では、病原体などのタンパク質を組み合わせた、コンポーネントワクチンの開発を進めています。効力の高いワクチン開発のためには、ヒト免疫原性を最大化することが重要です。そのために、我々は、ファージディスプレイ技術とNGS解析を組み合わせたPathogScan法 (Phage immunoprecipitation sequencing (PhIP-Seq) 法の変法)を開発し、高い免疫原性を有する病原体タンパク質断片を、ヒト検体を用いて探索しています。これによって、ワクチンシーズ開発につなげていきます。

2.感染症、免疫病発症機構の解明(図3)

 バイオロジクスのシーズ開発において、疾患発症メカニズムの解明、および活性評価のための動物モデル創出は、重要な開発ステップです。特にヒト免疫機能を駆動する感染症、免疫病に対するバイオロジクスは、ヒト免疫システムと病原体との相互作用や免疫破綻機構の理解が必要です。したがって、我々は、重篤疾患を引き起こすヒトヘルペスウイルス感染症に注目し、がん、および自己免疫疾患等の炎症疾患の発症機構について、動物モデルを用いて研究しています。

 EBウイルスはヒトに感染するヘルペスウイルスの仲間で、成人の90%以上が感染している一般的なウイルスです。多くの場合小児時に感染し、無症状であったり、軽い症状であったりしますが、思春期や成人に感染するとリンパ球の異常増殖によって伝染性単核球症を起こすことがあります。また、EBウイルスは疫学的知見よりバーキットリンパ腫やホジキンリンパ腫などのリンパ腫や、全身性エリテマトーデスや多発性硬化症などの自己免疫疾患との関連が知られています。

 我々は、EBウイルス感染細胞が発現するウイルス由来膜タンパク質であるLatent membrane protein 1 (LMP1)やLMP2Aが、胚中心B細胞と呼ばれる分化段階のB細胞で発現するマウスを作製し、リンパ腫や自己免疫疾患発症とEBウイルス感染との関係を調べてきました。その結果、LMP2AがB細胞の分化を正に制御することによって、自己免疫疾患の発症を促進すること(代表的な論文2)や、LMP1とLMP2Aが協調的に機能し、リンパ腫発症のきっかけとなること(代表的な論文3)を明らかにしました。これらのマウスは、自己免疫疾患やリンパ腫発症のモデル動物としての利用が可能であり、創薬や治療法の開発に活かされます。これらの基礎研究を通じて、最終的に感染症、免疫病に対する治療戦略の構築を目指しています。

最近の代表的な論文(*筆頭著者、‡責任著者)
1. Yasui T*‡, Sakakibara-Yada K*, Nishimura T, Morita K, Tada S, Mosialos G, Kieff E‡, Kikutani H‡. Protein kinase N1, a cell inhibitor of Akt kinase, has a central role in quality control of germinal center formation. Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 109(51):21022-21027.

2. Minamitani T*, Yasui T*‡, Ma Y, Zhou H, Okuzaki D, Tsai CY, Sakakibara S, Gewurz BE, Kieff E‡, Kikutani H‡. Evasion of affinity-based selection in germinal centers by Epstein-Barr virus LMP2A. Proc Natl Acad Sci U S A. 2015 112(37):11612-11617.

3. Minamitani T*, Ma Y*, Zhou H, Kida H, Tsai CY, Obana M, Okuzaki D, Fujio Y, Kumanogoh A, Zhao B, Kikutani H, Kieff E‡, Gewurz BE‡, Yasui T‡. Mouse model of Epstein-Barr virus LMP1- and LMP2A-driven germinal center B-cell lymphoproliferative disease. Proc Natl Acad Sci U S A. 2017 114(18):4751-4756.

感染症制御プロジェクト

ウェブサイト https://www.nibiohn.go.jp/infectious-diseases-immunity/top01.html

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