創薬機能性オルガノイド研究プロジェクト
1.メンバー
プロジェクトリーダー | 水口 裕之 |
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協力研究員 | 櫻井 文教、鳥羽 由希子、他7名 |
研修生 | 計6名 |
2.研究目的・背景
幹細胞とは自己複製能 (self-renewal) と分化多能性 (pluripotency) を有した種々の細胞の元となる細胞のことであり、近年注目を浴びている ES 細胞や iPS 細胞なども幹細胞の一種です。本プロジェクトでは、これらの幹細胞からオルガノイド培養技術を駆使して分化誘導した細胞(肝細胞や小腸上皮細胞)を用いて医薬品の有効性や毒性を評価する系を新規に構築することにより、創薬研究を加速化することを目的としています。
3.研究内容
ヒト iPS 細胞からオルガノイド培養技術を駆使した高機能な肝細胞や腸管上皮細胞の作製と創薬研究への応用
医薬品候補化合物の開発中止原因のひとつである「肝毒性の判明」に関して、創薬初期段階で簡便・確実に毒性をスクリーニングできれば、創薬後期段階での開発中止の低減、新薬開発コストの低減、新薬開発期間の短縮といった効果が期待されます。また、医薬品候補化合物の小腸での吸収・排泄・代謝を評価するためのin vitro評価系が構築されれば、小腸アベイラビリティを評価することが可能になります。そこで、ヒト iPS 細胞等からオルガノイド培養技術を駆使しながら、高機能な肝細胞や腸管上皮細胞を分化誘導する技術を開発し、得られた細胞系を用いて薬物の有効性や毒性を評価する系を新規に構築しています。