食品栄養・表示研究室
メンバー
室長 | 梅垣 敬三(併) |
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食品中の栄養素等の生理機能の評価並びに表示との関係に関する基礎的調査研究を行っています。そのうち特に、ビタミンAやビタミンD等の微量栄養素を中心に、栄養生理学上の研究を行うとともに、健康の保持・増進における新しい有用性に関する試験研究を進めています。また、これらの研究成果をもとに、食品表示のあり方について調査研究します。
ビタミンAの栄養生理学的研究
ビタミンAは、皮膚や粘膜の正常保持、視覚の正常化、成長および分化に関与するばかりでなく、糖・脂質代謝にも密接に関係するビタミンです。当研究室ではこれに着目し、ビタミンAそのものだけでなく、その輸送タンパク質や前駆体物質の代謝にも着目して健康の保持・増進における新しい有用性に関する試験研究を進めています。
ビタミンDの栄養生理学的研究
ビタミンDは正常なカルシウム代謝に必須のビタミンです。ビタミンDは細胞内に存在する核内ビタミンD受容体(VDR)のリガンドとして働き、標的遺伝子の特定の配列に結合することで遺伝子発現を調節すること(ゲノム作用)がよく知られています。一方、ビタミンDにはVDRを介さない非ゲノム作用もあることが分かってきており、近年注目されています。当研究室では、このビタミンDの新しい生理作用を詳細に解析しています。
ビタミンKの栄養生理学的研究
ビタミンKは血液凝固に必須の栄養素で、日本人の食事摂取基準(2010年版)において、その摂取目安量が策定されています。一方、ビタミンKは骨の形成においても重要な役割を担うことが明らかになっていますが、その必要量や作用メカニズムに関する科学的根拠は十分ではありません。そこで、当研究室では、ビタミンKの骨代謝に対する影響を、細胞、動物、ヒトを対象とした試験により評価しています。
食品表示に関する研究
上記の研究成果をもとに、食品表示のあり方について調査研究します。また、「健康食品」等の健康志向に基づく食品の使用実態等の情報を収集・把握し、食品表示の側面から、健康影響について調査研究します。