よくある質問(FAQ)
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よくある質問と回答をまとめてあります。ご質問があるときは、ここではなくメインフォーラムにお願いします。
[ 栄養 ]
Requested and Answered by ゲスト on 30-Sep-2010 20:13 (2389 reads)
回答が大変遅くなり、申し訳ありませんでした。
この点について、肥満者の減量などを専門としている、
筑波大学大学院人間総合科学研究科の中田由夫先生によると、
以下のような回答でした。
………
まず「減量した場合に、体脂肪が減らず筋肉が減少する」という点について解説します。
体脂肪量や筋肉量を直接測ることは非常に難しく、実際にどのように変化したかは推定することしかできません。
その方法はいくつかありますが、比較的精度が良いとされている方法に二重エネルギーX線吸収法(DXA)というX線を使った体組成評価法があります。
その方法を用いて、肥満の日本人女性を対象に、3ヶ月間の減量中の体組成変化を検討した研究があります(Nakata Y et al., Journal of Bone and Mineral Metabolism 26(2): 172-177, 2008)。
食事制限(1日あたり1200 kcal)のみをおこなった場合、3ヶ月間で6.2 kgの体重が減少し、その際の体組成変化は、体脂肪量が4.5 kgの減少、除脂肪量(筋肉、内臓、骨などの脂肪以外の組織重量)が1.7 kgの減少でした。
この集団(21名)の減量のペースは月2 kg程度ですし、管理栄養士の指導の下、栄養バランス等には十分に配慮しています。
それでも、除脂肪量は少なからず減少していますので、ある程度の除脂肪量の減少は覚悟しなければならないと考えられます。
しかし、「体脂肪が(まったく)減らず筋肉(のみ)が減少する」ということは、余程のことがない限り、起こりえないと思います。
ちなみに、この研究では、同様の食事制限に加えて、週3回の筋力運動を加えた群を設定しています。
その集団(21名)では、体重減少量が8.6 kgであり、そのうち体脂肪量が6.9kg、除脂肪量が1.8 kgでした。
したがって、除脂肪量を維持するために筋力運動をおこなったとしても、必ずしも除脂肪量の維持にはつながらないと言えそうです。
次に、減量のペースとリバウンドの起こりやすさの関係についてです。
白人を対象とした論文ですが、生活習慣改善による減量後の体重維持について、22件の論文をまとめた研究が2010年3月に発表されています(Barte JC et al. Maintenance of weight loss after lifestyle interventions for overweight and obesity, a systematic review. Obes Rev [Epub ahead of print])。
この論文でまとめられたデータによると、減量期間中の平均体重減少量は初期体重の9.5%であり、その後1年間で維持できた体重は54%でした。
すなわち、減らした体重のおよそ半分はリバウンドした計算になります。
ここで、減量期間中の体重減少量とリバウンドした量との間に関連があるかどうかを検討したところ、両者の関連性は認められませんでした。
したがって、この研究の著者らは、減量後に生じるであろうリバウンドを考慮した上で、減量期間中に初期体重の10%以上減少させておくことが重要であると結論づけています。
他にも、8週間で12.6 kg減量させた群と17週間で12.6 kg減量させた群とで1年後のリバウンド量に差はなかったという報告もあります(Toubro S & Astrup A, British Medical Journal 314(7073): 29-34, 1997)ので、リバウンドに減量のペースは関係しないと考えて良いのではないかと思います。
(以上)
………
減量成果を検討した論文は多数ありますが、結果には幅があり、「??以上の減量を行うと、除脂肪量が減る」といった明確な閾値はないのではないかと思います。
国立健康・栄養研究所
健康増進プログラム
田中茂穂
この点について、肥満者の減量などを専門としている、
筑波大学大学院人間総合科学研究科の中田由夫先生によると、
以下のような回答でした。
………
まず「減量した場合に、体脂肪が減らず筋肉が減少する」という点について解説します。
体脂肪量や筋肉量を直接測ることは非常に難しく、実際にどのように変化したかは推定することしかできません。
その方法はいくつかありますが、比較的精度が良いとされている方法に二重エネルギーX線吸収法(DXA)というX線を使った体組成評価法があります。
その方法を用いて、肥満の日本人女性を対象に、3ヶ月間の減量中の体組成変化を検討した研究があります(Nakata Y et al., Journal of Bone and Mineral Metabolism 26(2): 172-177, 2008)。
食事制限(1日あたり1200 kcal)のみをおこなった場合、3ヶ月間で6.2 kgの体重が減少し、その際の体組成変化は、体脂肪量が4.5 kgの減少、除脂肪量(筋肉、内臓、骨などの脂肪以外の組織重量)が1.7 kgの減少でした。
この集団(21名)の減量のペースは月2 kg程度ですし、管理栄養士の指導の下、栄養バランス等には十分に配慮しています。
それでも、除脂肪量は少なからず減少していますので、ある程度の除脂肪量の減少は覚悟しなければならないと考えられます。
しかし、「体脂肪が(まったく)減らず筋肉(のみ)が減少する」ということは、余程のことがない限り、起こりえないと思います。
ちなみに、この研究では、同様の食事制限に加えて、週3回の筋力運動を加えた群を設定しています。
その集団(21名)では、体重減少量が8.6 kgであり、そのうち体脂肪量が6.9kg、除脂肪量が1.8 kgでした。
したがって、除脂肪量を維持するために筋力運動をおこなったとしても、必ずしも除脂肪量の維持にはつながらないと言えそうです。
次に、減量のペースとリバウンドの起こりやすさの関係についてです。
白人を対象とした論文ですが、生活習慣改善による減量後の体重維持について、22件の論文をまとめた研究が2010年3月に発表されています(Barte JC et al. Maintenance of weight loss after lifestyle interventions for overweight and obesity, a systematic review. Obes Rev [Epub ahead of print])。
この論文でまとめられたデータによると、減量期間中の平均体重減少量は初期体重の9.5%であり、その後1年間で維持できた体重は54%でした。
すなわち、減らした体重のおよそ半分はリバウンドした計算になります。
ここで、減量期間中の体重減少量とリバウンドした量との間に関連があるかどうかを検討したところ、両者の関連性は認められませんでした。
したがって、この研究の著者らは、減量後に生じるであろうリバウンドを考慮した上で、減量期間中に初期体重の10%以上減少させておくことが重要であると結論づけています。
他にも、8週間で12.6 kg減量させた群と17週間で12.6 kg減量させた群とで1年後のリバウンド量に差はなかったという報告もあります(Toubro S & Astrup A, British Medical Journal 314(7073): 29-34, 1997)ので、リバウンドに減量のペースは関係しないと考えて良いのではないかと思います。
(以上)
………
減量成果を検討した論文は多数ありますが、結果には幅があり、「??以上の減量を行うと、除脂肪量が減る」といった明確な閾値はないのではないかと思います。
国立健康・栄養研究所
健康増進プログラム
田中茂穂
[ 運動 ]
Requested and Answered by ゲスト on 28-Aug-2010 11:16 (6325 reads)
体重kgの減少≒7000kcal
については、おおよそ以下のような背景になると思います。
・標準的な減量時において、
体重減少1kgの3/4(75%)が体脂肪、残りが除脂肪くらいである
(Forbes GB. Infl uence of nutrition. Human body
composition. Growth, aging,
nutrition, and activity. Springer-Verlager, New York,
1987: 209-247.)
・体脂肪kg=9450kcal
(1kg=9000kcalというのは、食事として摂った時に、
脂肪の平均的な吸収率(約95%)を考慮して得られた
数値(≒9450×0.95)ですが、
ここでは、食事としてではなく、体脂肪を利用するので、
吸収率を考慮する必要はありません)
・除脂肪の約20%がたんぱく質で、たんぱく質kg=5650kcal
以上より、体重kgの減量に相当するエネルギーは、
9,450×0.75 + (5,650×0.20)×0.25≒7,370 kcal
と計算できます。
ただし、
「標準的な減量時において、体重減少1kgの3/4が体脂肪、残りが除脂肪」
というのは、いくつかの減量実験の平均値から得られたものですが、
Forbes (1987)をみるとわかるように、
平均値自体もかなりばらついていますし、
それぞれの平均値の中で、さらに大きな個人間差があります。
そのため、あくまで、およその標準値と考えるのがよいと思います。
そうして考えると、
体重1kgの減量は7000kcalと考えても構わないでしょうし
(上記の計算で、75%ではなく70%とした場合、あるいは除脂肪の減少を無視すると、
7000kcal前後になります)、
米国では、1ポンドあたり3500kcal(→1kgあたり約7700kcal)
と計算する方が一般的です。
実際には、いろいろな研究者が、、
体脂肪1kg=9000kcalで計算したり、
除脂肪量の減少分を考慮しなかったりして、
結果的に7000kcal(+α)というおよその値を得ていることもあるようです。
国立健康・栄養研究所
健康増進プログラム
エネルギー代謝プロジェクトリーダー
田中茂穂
については、おおよそ以下のような背景になると思います。
・標準的な減量時において、
体重減少1kgの3/4(75%)が体脂肪、残りが除脂肪くらいである
(Forbes GB. Infl uence of nutrition. Human body
composition. Growth, aging,
nutrition, and activity. Springer-Verlager, New York,
1987: 209-247.)
・体脂肪kg=9450kcal
(1kg=9000kcalというのは、食事として摂った時に、
脂肪の平均的な吸収率(約95%)を考慮して得られた
数値(≒9450×0.95)ですが、
ここでは、食事としてではなく、体脂肪を利用するので、
吸収率を考慮する必要はありません)
・除脂肪の約20%がたんぱく質で、たんぱく質kg=5650kcal
以上より、体重kgの減量に相当するエネルギーは、
9,450×0.75 + (5,650×0.20)×0.25≒7,370 kcal
と計算できます。
ただし、
「標準的な減量時において、体重減少1kgの3/4が体脂肪、残りが除脂肪」
というのは、いくつかの減量実験の平均値から得られたものですが、
Forbes (1987)をみるとわかるように、
平均値自体もかなりばらついていますし、
それぞれの平均値の中で、さらに大きな個人間差があります。
そのため、あくまで、およその標準値と考えるのがよいと思います。
そうして考えると、
体重1kgの減量は7000kcalと考えても構わないでしょうし
(上記の計算で、75%ではなく70%とした場合、あるいは除脂肪の減少を無視すると、
7000kcal前後になります)、
米国では、1ポンドあたり3500kcal(→1kgあたり約7700kcal)
と計算する方が一般的です。
実際には、いろいろな研究者が、、
体脂肪1kg=9000kcalで計算したり、
除脂肪量の減少分を考慮しなかったりして、
結果的に7000kcal(+α)というおよその値を得ていることもあるようです。
国立健康・栄養研究所
健康増進プログラム
エネルギー代謝プロジェクトリーダー
田中茂穂
[ 栄養 ]
Requested and Answered by ゲスト on 26-Aug-2010 16:25 (2494 reads)
抗酸化作用と一口に言ってもその機序は様々です。一重項酸素の消去のみに注目した場合、カロテノイドによる一重項酸素の消去活性は共役ポリエンが寄与しており、二重結合の数が大きくなるほど増大します。レチノールは共役二重結合の数が少ないため、一重項酸素とは反応しません。したがって、他のカロテノイド類に比べると抗酸化活性はそれほど高くありません。ただし、ラジカルの消去に着目すると、レチノールにもプロオキシダント等としての作用があると考えられているため、全く抗酸化作用がないわけではありません。カロテンがレチノールに変換されると抗酸化活性は低くなると考えられます。
(参考)
ビタミンの事典 日本ビタミン学会 朝倉書店
抗酸化物質 フリーラジカルと生体防御 二木鋭雄他 学会出版センター
健康食品情報プロジェクトスタッフ
(参考)
ビタミンの事典 日本ビタミン学会 朝倉書店
抗酸化物質 フリーラジカルと生体防御 二木鋭雄他 学会出版センター
健康食品情報プロジェクトスタッフ
[ その他 ]
Requested by ゲスト and Answered by ゲスト on 08-Aug-2010 19:03 (1306 reads)
糖尿病トリオパチー(Diabetic Triopathy)ではないでしょうか。これは(トリ:3つ、パチー:症)ですので、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害をすべてを合わせたものです。これは一般的に認知されております。
臨床栄養プログラム
窪田哲也
臨床栄養プログラム
窪田哲也
[ 栄養 ]
Requested and Answered by ゲスト on 03-Aug-2010 11:58 (1142 reads)
改善が見られると書いてありますが、何が改善されるのか不明です。
リノール酸の摂取量を増やすと脂肪肝が改善されたという報告は見たことがありません。アルコール性肝疾患では赤血球形質膜での脂肪酸組成が変わり、不飽和脂肪酸が減少し、飽和脂肪酸が増加するという報告はありますが、食事でこの比率を改善できたとしても、生体に良い効果をもたらすのか、悪い効果をもたらすのかはわかりません。
江崎治
リノール酸の摂取量を増やすと脂肪肝が改善されたという報告は見たことがありません。アルコール性肝疾患では赤血球形質膜での脂肪酸組成が変わり、不飽和脂肪酸が減少し、飽和脂肪酸が増加するという報告はありますが、食事でこの比率を改善できたとしても、生体に良い効果をもたらすのか、悪い効果をもたらすのかはわかりません。
江崎治