ビタミンAは抗酸化ビタミンといして有名です。ただ、どの資料にもプロビタミンAであるカロチノイド(βカロテン等)に抗酸化作用があるとありますが、レチノールとしては抗酸化作用はないのでしょうか? もしないのであれば、カロテンがレチノールに変換されると抗酸化作用はなくなるのでしょうか?

Requested and Answered by ゲスト on 26-Aug-2010 16:25

ビタミンAは抗酸化ビタミンといして有名です。ただ、どの資料にもプロビタミンAであるカロチノイド(βカロテン等)に抗酸化作用があるとありますが、レチノールとしては抗酸化作用はないのでしょうか? もしないのであれば、カロテンがレチノールに変換されると抗酸化作用はなくなるのでしょうか?

抗酸化作用と一口に言ってもその機序は様々です。一重項酸素の消去のみに注目した場合、カロテノイドによる一重項酸素の消去活性は共役ポリエンが寄与しており、二重結合の数が大きくなるほど増大します。レチノールは共役二重結合の数が少ないため、一重項酸素とは反応しません。したがって、他のカロテノイド類に比べると抗酸化活性はそれほど高くありません。ただし、ラジカルの消去に着目すると、レチノールにもプロオキシダント等としての作用があると考えられているため、全く抗酸化作用がないわけではありません。カロテンがレチノールに変換されると抗酸化活性は低くなると考えられます。

(参考)
ビタミンの事典 日本ビタミン学会 朝倉書店
抗酸化物質 フリーラジカルと生体防御 二木鋭雄他 学会出版センター

健康食品情報プロジェクトスタッフ

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