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論文紹介

1日に必要なエネルギーは加齢に伴いダイナミックに変動する
〜29カ国6600人超が対象の国際共同調査で判明〜

2021年8月13日


 医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所身体活動研究部 山田陽介特別研究員と吉田司研究員は、筑波大学体育系 下山寛之助教、京都先端科学大学総合研究所アクティブヘルス支援機構 木村みさか客員研究員らと共に、国際的な研究者チームの一員として、世界29カ国の生後8日から95歳までの6,600人以上の二重標識水法のデータベースを構築し、ヒトの生涯にわたる1日当たりの総エネルギー消費量について分析しました。
 本研究では、総エネルギー消費量の絶対値が、10代後半で最も高く、その後わずかに低下した後、60代までは一定の値を示しており、体格調整した総エネルギー消費量は、生後12カ月の間に急増し、1歳の誕生日には、大人に比べて50%も速くエネルギーを消費していました。
 中年期の代謝の減速は緩やかで、年にわずか0.7%で、90代の人は、中年の人よりも1日当たりの必要なエネルギーが26%少なくなっています。これらの結果は、ヒトの生涯における細胞・組織の代謝が加齢にともなってダイナミックに変動することを示しており、そのメカニズムを調べる研究が今後期待されます。

本研究成果は、アメリカ科学振興協会(AAAS)学術雑誌「Science(サイエンス)」の8月13日版で公開されました。

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2021年8月13日更新