医薬基盤研究所(NIBIO)のお知らせ
特許取得のお知らせ 「安定性の高い人工核酸アプタマーを作製可能な、新たな合成酵素『改変ポリメラーゼ』の開発」
2021年2月22日
この度、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と国立大学法人大阪大学、国立大学法人群馬大学は、新たな合成酵素(改変ポリメラーゼ1))に関する特許を取得しましたので、お知らせします。
核酸アプタマー2)は、抗体医薬品に続くバイオ医薬品として期待されている一方で、核酸分解酵素(ヌクレアーゼ)によって容易に分解されるため、治療薬として実用化するうえで、生体内での安定性の向上が大きな課題のひとつとなっていました。
新たに特許を取得した合成酵素(改変ポリメラーゼ)によって、これまで作製することが困難であった、高い生体内安定性と二重鎖安定性を兼ね備え、生体内で分解されにくい人工核酸アプタマーの開発が可能となりました。
今後、画期的な治療薬の開発や核酸工学分野への活用が期待されます。
研究内容の詳細については、こちら
(⇒https://www.nibiohn.go.jp/information/nibio/2021/01/006841.html)をご確認ください。
【特許概要】
特許番号:特許第6826275号
発明の名称:改変ポリメラーゼ
特許権者 :国立大学法人大阪大学
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
国立大学法人群馬大学
発明者:小比賀 聡、星野 秀和、森廣 邦彦、笠原 勇矢、桑原 正靖
出願番号:特願2017-508475
出願日:平成28年3月25日(2016.3.25)
登録日:令和3年1月19日(2021.1.19)
※用語の解説
1)ポリメラーゼ
DNAやRNAを複製させる合成酵素のこと。構造の一部を人工的に変更したポリメラーゼを「改変ポリメラーゼ」という。
2)核酸アプタマー
タンパク質や低分子、ウイルス、細胞などの特定の物質を特異的に認識し、結合することができる核酸(DNAやRNA)のこと。構造の一部を人工的に変更した核酸アプタマーを「人工核酸アプタマー」という。