エネルギーの摂取量は減っているか
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Re: エネルギーの摂取量の件
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ゲスト
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あくまで個人的な意見ですが、以下のように考えています。
・確かに、国民健康・栄養調査によると、エネルギー摂取量はやや減少傾向ですが、エネルギー摂取量は、一般に過小評価されることが知られています(Livingstone, J Nutr, 2003)。
また、概して、真の摂取量より「期待値(「こうありたい」という値)」に近づくと考えられています。その証拠?に、食事摂取基準のエネルギー必要量(←DLW法によるエネルギー消費量)と、国民健康・栄養調査のエネルギー摂取量は、大きく食い違っています。
そうして考えると、あくまで個人的な意見ですが、「エネルギー摂取量は、国民健康・栄養調査が示しているほど減少していないのではないか→調節が難しいエネルギー摂取量も、肥満の増加の大きな原因ではないか」ということも十分考えられます。
・また、日本は着実に高齢化が進んでいますが、それに伴い、エネルギー摂取量が少し減少するのは自然なことです。その点も考慮しておく必要があります。
・一方、1990年代の半ば過ぎをピークに、歩数のデータは減っています。それ以外にエビデンスはないのですが、個人的には、身体活動量は長期的にみれば減少傾向にあるのではないかと想像しています。
・ただし、昨年、「欧米で蓄積されたDLW法のデータによると、1980年代から20年間のエネルギー消費量・身体活動量は減少していない」という論文が出ています(Westerterp, Int J Obes, 2008)。
もっとも、この論文で、DLW法の対象者がランダムサンプリングではないので、その点で限界はあります。
・尚、日本人では、男性+高齢女性の体重が増加傾向ではありますが、以前、国民健康・栄養調査のデータをみたみたところ、同じコホート(例:1995年の30歳代と2005年の40歳代)での体重の変化は、確か+2kg/10年程度以下でした。
このエネルギーバランスは+5kcal/日未満に相当します。この点は頭に入れておく必要があると思います。
・基礎代謝量・安静時代謝量については、測定条件に留意しなければなりませんが、どちらかと言えば、体脂肪率は増加傾向にありそうなので(高橋、栄養学雑誌、2007)たとえ体重が増えていてもそれほど増加しない、あるいは減少していてもおかしくないと思います。
多分、そうしたことに、先週出たばかりの、2010年版の食事摂取基準では、18?29歳女性だけ、基礎代謝基準値が変更されました(23.6→22.1kcal/kg/日)。
国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム 田中茂穂
・確かに、国民健康・栄養調査によると、エネルギー摂取量はやや減少傾向ですが、エネルギー摂取量は、一般に過小評価されることが知られています(Livingstone, J Nutr, 2003)。
また、概して、真の摂取量より「期待値(「こうありたい」という値)」に近づくと考えられています。その証拠?に、食事摂取基準のエネルギー必要量(←DLW法によるエネルギー消費量)と、国民健康・栄養調査のエネルギー摂取量は、大きく食い違っています。
そうして考えると、あくまで個人的な意見ですが、「エネルギー摂取量は、国民健康・栄養調査が示しているほど減少していないのではないか→調節が難しいエネルギー摂取量も、肥満の増加の大きな原因ではないか」ということも十分考えられます。
・また、日本は着実に高齢化が進んでいますが、それに伴い、エネルギー摂取量が少し減少するのは自然なことです。その点も考慮しておく必要があります。
・一方、1990年代の半ば過ぎをピークに、歩数のデータは減っています。それ以外にエビデンスはないのですが、個人的には、身体活動量は長期的にみれば減少傾向にあるのではないかと想像しています。
・ただし、昨年、「欧米で蓄積されたDLW法のデータによると、1980年代から20年間のエネルギー消費量・身体活動量は減少していない」という論文が出ています(Westerterp, Int J Obes, 2008)。
もっとも、この論文で、DLW法の対象者がランダムサンプリングではないので、その点で限界はあります。
・尚、日本人では、男性+高齢女性の体重が増加傾向ではありますが、以前、国民健康・栄養調査のデータをみたみたところ、同じコホート(例:1995年の30歳代と2005年の40歳代)での体重の変化は、確か+2kg/10年程度以下でした。
このエネルギーバランスは+5kcal/日未満に相当します。この点は頭に入れておく必要があると思います。
・基礎代謝量・安静時代謝量については、測定条件に留意しなければなりませんが、どちらかと言えば、体脂肪率は増加傾向にありそうなので(高橋、栄養学雑誌、2007)たとえ体重が増えていてもそれほど増加しない、あるいは減少していてもおかしくないと思います。
多分、そうしたことに、先週出たばかりの、2010年版の食事摂取基準では、18?29歳女性だけ、基礎代謝基準値が変更されました(23.6→22.1kcal/kg/日)。
国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム 田中茂穂
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エネルギーの摂取量は減っているか
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投稿日時 2009/6/2 16:44 | 最終変更
toku
エネルギーの摂取量ですが、国民栄養調査では2000年代は2000Kcalを割って、近年エネルーギーの摂取量は減少気味であると言われています。そのため、活動不足を肥満の原因として捉える向きがあります。
一方、ヒューマンカロリーメーターでは2,600Kcal程度であり、必ずしも摂取エネルギーは減少していないのではないかという意見もあり、栄養研ではどのように考えておられるのかお教え頂きたいと思います。
私たちも運動を推進していますが、摂取エネルギーの制限も見逃せません。実際栄養調査をしますと、摂取エネルギー量はそんなに高くないのですが、肥満傾向であり、活動量だけなのか不思議に思っております。
学生の安静時代謝を測定しますと、一律に予測値より低くなり、交感神経活動活性の低下も一因と考えられますが、指導の主体を何におくべきか迷っております。
ご意見を御聞かせ頂ければ幸いです。
一方、ヒューマンカロリーメーターでは2,600Kcal程度であり、必ずしも摂取エネルギーは減少していないのではないかという意見もあり、栄養研ではどのように考えておられるのかお教え頂きたいと思います。
私たちも運動を推進していますが、摂取エネルギーの制限も見逃せません。実際栄養調査をしますと、摂取エネルギー量はそんなに高くないのですが、肥満傾向であり、活動量だけなのか不思議に思っております。
学生の安静時代謝を測定しますと、一律に予測値より低くなり、交感神経活動活性の低下も一因と考えられますが、指導の主体を何におくべきか迷っております。
ご意見を御聞かせ頂ければ幸いです。
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