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系統的レビュー・メタ分析による大豆成分の健康影響に関する評価研究

【はじめに】
 健康・栄養情報プロジェクトの研究業務の一環として、話題の健康・栄養情報を収集し、系統的レビュー・メタ分析等による評価を行い、より科学的に信頼性の高い情報を発信しています。
今回は大豆イソフラボンの骨密度1)、骨代謝マーカー2)、血圧3)への影響についての評価結果を紹介します。

【対象及び方法】
 国内外の文献データベース(PubMed、CENTRAL、医中誌、CNKI)より、関連の無作為化比較試験(RCT)に関する論文を系統的に検索・収集し、関連データを抽出し、各研究の質を考慮した上で系統的レビュー・メタ分析にて統計的に評価しました。

【研究結果】
 11報のRCTをメタ分析した結果、閉経期女性において、1日平均82mg(アグリコンとして、以下同様)の抽出大豆イソフラボンを6ヶ月?1年間摂取した群は対照群に比べ、腰椎骨密度を有意に2.38 %(95 %CI:0.93 ? 3.83 %、P =0.001; 図)上昇させました。大豆イソフラボンは大腿骨頸部、大腿骨全体、転子間の骨密度に有意な効果を認めませんでした。

 10報のRCTをメタ分析した結果、閉経期女性において、1日平均56mg大豆イソフラボンサプリメントを10週間?12ヶ月摂取した場合は、初期値に比べ、骨吸収マーカーの尿デオキシピリジノリンを有意に14.1%(95%CI:?26.8%??1.5%、P =0.03)低下させました。
プラセボに対して、大豆イソフラボンの統合的効果は有意な18.0%の低下でした(95%CI:?28.4%??7.7%、P =0.0007)。
大豆イソフラボンを12ヶ月まで摂取した場合は、骨形成マーカーの血清骨型アルカリフォスファターゼ及びオステオカルシンに影響しませんでした。

 14報のRCTをメタ分析した結果、血圧正常者または境界高値者の成人において、1日約80mg(中央値)大豆イソフラボンを2?24週間摂取した場合は、プラセボに比べ、収縮期血圧を有意に1.92mmHg(95%CI:?3.45??0.39mmHg、P =0.01)低下させました。大豆イソフラボンは拡張期血圧に影響しませんでした。

【今後の方向性】
 科学的根拠に基づく健康・栄養情報の系統的収集と評価を継続的に行い、より信頼性の高い情報の発信に努めていきます。また、「機能性食品因子データベース(https://www.nihn.go.jp/FFF/)」
などをより多くの方々にとって役立つ情報提供システムに発展させ、関連の専門職や機関と連携できるネットワークを強化してまいります。

【情報センター/健康・栄養情報プロジェクト 卓 興鋼】

関連研究論文
1) Taku K et al . Eff ect of soy isofl avone extract supplements
on bone mineral density in menopausal women: meta-analysis
of randomized controlled trials. Asia Pac J Clin Nutr.
2010; 19( 1): 33-42.
2) Taku K et al . Effects of soy isoflavone supplements on
bone turnover markers in menopausal women: systematic
review and meta-analysis of randomized controlled trials.
Bone. 2010; 47( 2): 413-23.
3) Taku K et al . Eff ects of soy isofl avone extract supplements
on blood pressure in adult humans: systematic review and
meta-analysis of randomized placebo-controlled trials. J Hypertens.
2010 Jun 23. [Epub ahead of print]


(当研究所機関誌「健康・栄養ニュース第33号」(平成22年9月15日発行)より転載)


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作成:2011/1/11 15:00:28 自動登録   更新:2011/1/11 15:05:29 自動登録   閲覧数:5936
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