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臨床栄養プログラム

2.年度計画


a.メタボリックシンドロームプロジェクト

●各栄養素摂取量と遺伝子多型の相互作用の検討

 これまで罹患同胞対法を用いた全ゲノム解析と候補遺伝子アプローチを組み合わせた統合的解析によってPPARγ遺伝子、アディポネクチン遺伝子、PGC-1遺伝子、AMPキナーゼα2サブユニット遺伝子、HNF4α遺伝子が日本人におけるインスリン抵抗性や2型糖尿病の感受性遺伝子であることを明らかにしている。しかしながら、糖尿病をはじめとする生活習慣病は遺伝素因に環境因子の影響が組み合わさって発症する多因子病であり、個々人の易罹患性を予測するためには、個々の遺伝素因と環境因子に加えて遺伝素因・環境因子の相互作用を考慮に入れた解析を行いそのデータに立脚した易罹患性予測式を構築する必要がある。これまでアディポネクチン遺伝子多型は肥満者でより強く血中アディポネクチン値に影響を与えていることを明らかにしているが、本プロジェクトでは、これまでに明らかにしたインスリン抵抗性やインスリン分泌、2型糖尿病に関与する遺伝子多型、各栄養素摂取量、身体活動量、それらの相互作用項を説明因子として、肥満度、血糖値、糖尿病の有無などの従属変数をどのように説明しうるかをロジスティック解析によって検討する。コホートの対象者についてアディポネクチン遺伝子、アディポネクチン受容体1および2遺伝子、AMPKα2サブユニット遺伝子、レジスチン遺伝子、HNF4α遺伝子、PPARγ2遺伝子、β3アドレナリン受容体遺伝子、PGC-1遺伝子に加えて、欧米で報告され日本人でも2型糖尿病感受性遺伝子であることを確認したTCF7L2遺伝子、HHEX遺伝子のタイピングを行い、ロジスティック解析によってインスリン抵抗性、2型糖尿病発症に関与する遺伝素因と環境因子の組み合わせを抽出する。


●遺伝素因の機能解析

 これまでに2型糖尿病を発症させやすくしていることが遺伝子多型を利用した患者対照相関解析によって明らかにした遺伝子で、その機能が未知のものについては、遺伝子欠損マウスの解析を行う。実際に糖尿病を発症するかどうか高脂肪食などの環境因子を負荷して表現型を解析し、栄養と遺伝子多型の相互作用について検討する。


b.栄養療法プロジェクト

●糖尿病の研究(インスリン分泌を中心に)

 2型糖尿病モデル動物、肥満モデル動物に高脂肪食を負荷した時の膵β細胞に与える影響についてin vivoの系で解析を行うとともに、遺伝子操作動物の膵β細胞株を樹立してin vitroでも解析可能な系を確立することにより、膵β細胞増殖機構の分子メカニズムをさらに詳細に検討する。


●メタボリックシンドロームの研究(インスリン抵抗性を中心に)

 高脂肪食は、肝臓や骨格筋の中性脂肪含量を増加させ、肝臓や骨格筋のインスリンシグナルを様々な分子メカニズムにより障害することで、インスリン抵抗性を惹起すると考えられるが、我々は最近、高脂肪食を負荷した生活習慣病モデル動物では、血管や血管内皮におけるインスリンシグナルが低下しており、このことが骨格筋のインスリン抵抗性ならびに動脈硬化の進展に関与している可能性があるという興味深い知見を得た。そこで本プロジェクトでは、血管内皮をターゲットにした遺伝子操作動物を作出しその解析を行うことで、血管内皮におけるインスリンシグナルが全身のインスリン抵抗性や動脈硬化の進展に果たす役割を検討する。
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作成:2009/10/23 16:24:28 自動登録   閲覧数:2643
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