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富山県の農村部における栄養素等・食品群別摂取量の季節間変動及び野菜類摂取量との関連についての検討

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 栄養・食生活は、生活習慣病を中心とした様々な疾病との関連が深いことがしられています。近年わが国では、生活習慣病の予防や治療が社会的な問題となっています。

 今年度(平成20年)4月からは、医療制度改革の一環として、40?74歳を対象とした特定健康診査・特定保健指導も開始されました。高血圧をはじめとした循環器疾患、また内臓脂肪の役割に着目し、リスクを総合的に評価するメタボリックシンドロームなどの予防や改善のために、食事や運動などの生活習慣の改善の重要性が再認識されています。

 ところで、わが国では季節の移り変わりが明確であり、その時々に出回る食材を生かしながら食生活を営んでいます。この研究では、富山県の西部に位置する農村部において、2003年から2004年の3季節にわたる栄養摂取状況調査(各季節、連続しない2日間の秤量及び記録による)を行いました。30世帯117人(1歳以上)が調査に協力し、そのうちの20歳以上の90人(男性43人、女性47人)を対象として、栄養素等及び食品群別摂取量の季節間変動及び野菜類摂取量との関連を検討しました。

 男性では脂質の摂取、女性ではビタミンA、葉酸、食物繊維において季節間でその摂取に変動がありました。食品群においては、野菜類、果実類、きのこ類、藻類、魚介類の摂取量において季節による違いが認められましたが、豆類、種実類、肉類、卵類、菓子類では違いが認められませんでした。野菜類の摂取量別に栄養素及び食品群の関連を検討した結果において、男性では野菜類の摂取量350g未満の者に脂肪エネルギー比が高く、その他の穀類(米の摂取量については野菜類350g以上摂取者の方が多かった)の摂取量が多く、油脂類、肉類の摂取量も多い傾向にありました。

 このことを食事パターンに置き換えると、野菜類350g以上摂取者では米、魚介類、野菜類を中心とした従来の「日本型の食事パターン」となり、野菜類350g未満摂取者では、その他の穀類、つまり小麦製品、パン、麺類など、肉類、そして脂質が高く野菜類が少ないという食事パターンとなります。

 健康日本21では、野菜の摂取量の増加(1日当たり目標量350g以上)が食生活の目標となっています。本研究では、野菜類の摂取量が350g以上であった者は米や魚介類の摂取量も多いという特徴があったことから、この目標をさらに推進していくことを支持する結果となりました。

 野菜類の摂取量の増加は、米や魚介類の摂取を相乗的に高めることにもつながる可能性があるため、これらを含めた目標の設定、また推進が必要かもしれません。また、本研究の結果では肉類、菓子類、男性においては嗜好飲料類などで、季節間変動の影響がみられませんでした。言い換えれば、これらの食品は一年中いつでも入手が可能である、ということかもしれません。しかし、これらの食品は、生活習慣病の予防の観点から、摂取過多に気をつけたい食品です。

 以上のことより、食品は単独で摂取するのではなく、他の食品群と組み合わせて摂取されることから、これらを考慮した対策や目標設定が重要であると考えられます。【野末みほ、荒井裕介、由田克士】



出典:野末みほ,猿倉薫子,西条旨子,藤井紘子,荒井裕介,石脇亜紗子,吉池信男,中川秀昭,由田克士.富山県の農村部における栄養素等・食品群別摂取量の季節間変動及び野菜類摂取量との関連についての検討.北陸公衛誌,34(2):58-64,2008.

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第7巻1号(通巻24号)平成20年6月15日発行から転載


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作成:2008/9/29 13:21:25 自動登録   更新:2009/2/9 16:47:51 自動登録   閲覧数:7494
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