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BMIが高い人は、エネルギー摂取量を少なく申告する傾向がある

―18?20歳の女子新入生を対象とした研究―

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 体重を気にしているひとから「食べていないけど太る」と聞いたり、食事調査をすると「太っているひとは、食べているはずだけど『食べていない』と答える」などの矛盾に遭遇することが、しばしばあります。

 これは、実際の摂取量よりも少なく見積もる「過小申告」という現象が関係しており、栄養士を悩ます問題のひとつです。しかし、この問題についての報告はもっぱら欧米からであり、日本人を対象とした研究報告はほとんどありませんでした。そこで、日本人を対象とし、摂取エネルギーの申告状況を調べ、過小申告しやすい集団の特徴について検討しました。

 この調査は、1997年に入学した18?20歳までの女子学生の協力を得て行いました。2種類の質問票を用いて、過去1か月間に食べたものと生活習慣についてたずねました。摂取エネルギーの申告量が妥当であるかは、摂取エネルギー(EI:energyintake)と基礎代謝(BMR : basal metabolic rate)の比率(EI/BMR)から評価しました。EI/BMR値が低いほど基礎代謝量に対する摂取エネルギーの申告量が少ない、つまり過小申告している可能性が高いことをあらわしています。

 対象者をこの比率によって5つのグループに分類し、BMIを比較したのがグラフ1です。申告量が少ないグループほど、BMIが高くなっていました。

 次に、過小申告しやすい集団の栄養摂取状況についてあらわしたものが、グラフ2です。主要栄養素の摂取状況について、申告量が最も多い?群を基準に比較した結果、摂取エネルギーの申告
量が少ない群ほど、脂質およびタンパク質の摂取申告量が有意に少なく、一方、炭水化物の摂取申告量が著しく多い傾向を示しました。

 この結果から、BMIが高いひとほど過小申告しやすく、また栄養素に応じて多く申告したり少なく申告したり、何らかのパターンがあることが示唆されました。

 今回の調査対象者は18?20歳の女子大学生であり、今回得られた結果がすべての日本人にも当てはまるとは限りません。しかし、BMIが高いひとの栄養アセスメントを行う場合には「過小申告」の可能性があり得ることを知っておく必要があると思われます。【大久保公美】








出典: Okubo H, Sasaki S. Underreporting of energy intake among Japanese women aged18-20 years and its association with reported nutrient and food group intakes. Public Health Nutr 2004 ; 7 : 911-7.

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第3巻3号(通巻10号)平成16年12月15日発行から転載


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作成:2008/7/11 16:29:57 自動登録   更新:2009/2/9 10:07:08 自動登録   閲覧数:6336
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