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職域集団に対する効果的な健康・栄養教材とは


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 適切な栄養素摂取は健康の保持増進や疾病の予防に欠くことはできません。したがって対象とする個人や集団に対し、より望ましい生活習慣や食習慣を身につけて実践してもらう必要があります。

 このためには正しい情報を効果的に伝達する必要があります。しかし、どのような教材を用いることがより多くの注目を得て効果的であるのかは、ほとんど明らかにされていません。そこで、複数の職域集団において、3種類の基礎的な健康・栄養教材による情報提供とその注目度を検討してみました。

 情報の提供方法は、「一口健康・栄養メモ」(A5判横・色刷り、メニュースタンドを利用して掲載し、毎週内容を変更、従業員食堂内のすべてのテーブルに設置、紙面の基本構成は上部15%にタイトルもしくはキャッチコピー、45%に解説文、残りの40%には解説文に関連するイラストを示す)、「ポスター」(A3判縦・色刷り、4または8週毎に内容を変更、事業所内の所定場所に掲示、紙面の40?50%程度に文字を示し、残りに関連するイラストや図を配した)および「リーフレット」(A5判縦・イベントやキャンペーン時に配布する。

 対象者の目につきやすいよう白紙以外の色つき用紙を用い、文字やイラスト、図表の割合は取り扱う内容によって変更)の3教材としました。いずれも著者らが行った予備研究から大半の従業員が無理なく理解できると考えられる内容としました。少なくとも情報提供開始1年以上が経過した時点で、すべての職域対象者にアンケート調査を実施し、その注目度を判定しました。

 3種の教材中、対象者の注目度が最も高かった教材は「一口健康・栄養メモ」でした。職域により差はありましたが、概ね50%が内容の更新に伴い、必ずもしくは大体読むと回答しています。特に女性の注目度高く60%を上回りました。これに対し、「ポスター」を内容の更新に伴い必ずもしくは大体読むと回答した者は35%程度であり、全く読まなかったと回答した者も15%程度認められました。一方、「リーフレット」では、内容の更新に伴い、毎回一通り読むと回答したものは、男性で15%、女性でも20%程度に留まりました。

 「一口健康・栄養メモ」に高い有効性が認められたのは、設置数が多く、食堂利用者の視野に必ず入ったことや内容を適度に更新して、飽きのこない間隔で興味を持続させることができたためと考えられます。反面「ポスター」や「リーフレット」の効果は必ずしも大きいとは認められませんでした。これらは、掲示もしくは配布する場所や時間が限られることや、掲示場所や配布場所へ移動しなければ見られないというマイナス要因があったためと考えられます。

 今回の結果は、単に健康・栄養情報を一方的に発信すればそれでよいということではなく、状況に応じた適切な教材の選択や利用の必要性が示唆されたといえるでしょう。【由田克士】




出典:Yoshita K, Tanaka T, Kikuchi Y, Takebayashi T, Chiba N, Tamaki J, Miura K, Kadawaki T, Okamura T, Ueshima H. The Evaluation of Materials to Provide Health-Related Information as a Population Strategy in the Worksite : The High-Risk and Population Strategy for Occupational Health Promotion (HIPOP-OHP)Study. Environmental Health and Preventive Medicine : 9(4): 144-151, 2004.7

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第3巻3号(通巻10号)平成16年12月15日発行から転載


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作成:2008/7/7 11:50:49 自動登録   更新:2009/2/9 9:54:12 自動登録   閲覧数:5675
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