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栄養分野からの運動・休養分野へのサポートを介した健康づくりを目指して


 いつまでも元気で長生きしたいという願望は、大昔から人々が願って来た永遠のテーマであるようである。

 日本では縄文から弥生時代にあたる頃、中国を統一した秦の始皇帝は、不老不死の薬を求めて、若い男女3,000人を伴って徐福という人を東にある蓬莱の国(一説には日本を指すらしいが)に派遣したという有名な話もある。ついでに真実のほどは不明だが、日本全国には徐福伝説なるものが多数存在しているらしい。

 このような権力者の不老不死願望ほどではないにしろ、世の中に、健康の維持・増進を願わない人は、おそらくいないだろう。そして、楽をして健康の維持・増進を得たいという心情は、始皇帝に限らず、人間なら誰しも持っていることだと思う。

 健康ブームに乗って、多くの人が、これを食べるだけで痩せられる、肌が若返る、病気が治るなどと言われると、つい飛びつき、さらに、その騙されたことへの学習効果(反省)もなく、また、新しい健康情報が流れると、今度は大丈夫かもしれないと思い込み、同じことを繰り返していることも、この楽をして健康を手に入れたいという心情の現われではなかろうか。

 健康の維持・増進には、栄養と運動と休養が重要な要素であることは多くの人が理解されていると思う。そして、これらは、お互いに相補し合って、初めて人は健康あるいは元気な状態を維持できる。

 栄養は栄養だけ、運動は運動だけ、休養は休養だけで問題を解決しようとしても、どこかに無理が生じて最終目標である健康の維持・増進は達成されないように思える。

 例えば、3要素の中で、楽をしたいという気持ちと一番対極にあると思われる運動を例にとると、日本人の64%の人は自分が運動不足だと感じており(平成14年健康福祉動向調査成績より)、日常生活の歩行数も5年前よりも減少している(平成14年国民健康・栄養調査成績より)という現状をみると、運動をもっとした方がよいことはわかっているけれども……、で終わってしまっているのが実情であろう。

 この健康に良いとわかっていても運動しない人たちに、いくら
健康のために運動しましょうと呼びかけても、そのままでは行動変容は起こし難いだろう。

 ここに、健康増進の為の運動量あるいは身体活動量を増やす手助けとして、栄養分野からの食事以外のサポートができないものだろうか?

 例えば、30分で運動効果が出るところをある栄養成分を運動時に摂取することで15分の運動で同等の効果が得られるとか、運動すると数日まで疲れが残るので運動したくないと思っていた人が、ある栄養成分を運動時に摂取すると翌日の疲れが軽減されていたので、運動することが楽しくなったとか……。

 現状より少しでも楽に思える方法を提示できれば、少しは動いてみようかと思ってくれる人が増えてくれるのではないかな?現在、そんなことを思いつつ、そのような運動を補助する栄養成分や食品があればと期待を持って研究を行っている日々である。そして、そのようなエビデンスが見出せれば、前号で田畑リーダー(健康増進プログラム)が示された「健康づくりのための運動基準2005」に対して、微力かもしれないが実践面での栄養分野からのサポートができるかもしれない。

 また、運動時の疲れなどは休養の分野にもリンクしていることであり、心の健康問題に栄養素が関与している可能性も示唆されていることなどを考えると、休養を栄養分野からサポートできる可能性もあるのかもしれない。

 栄養分野にいる者の勝手な思い込みで終わらぬようにしたいものである。【藤井康弘】

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第5巻1号(通巻16号)平成18年6月15日発行から転載
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作成:2008/6/30 16:43:27 自動登録   更新:2009/2/10 14:17:28 自動登録   閲覧数:7476
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