Welcome GUEST
重要なお知らせ
現在リニューアル中のため、これは閲覧のみの旧バージョンです。質問や検索はできませんのでご注意下さい。
トップ  >  研究紹介  >  プロジェクト紹介  >  プロジェクト紹介:IT支援プロジェクト
いま研究室では

 現在では、インターネット上の情報は、ずいぶん探しやすくなりました。それは主として検索サイトで使われるプログラムのアルゴリズムが改良された結果です。

 Googleという検索サイト( https://www.google.co.jp/ )の名前は、みなさんも一度は聞いたことがあると思います。

 1998年ごろ登場したこのサイトで使われていたアルゴリズムは、インターネット検索の世界を一夜にしてぬりかえてしまいました。今では想像もできないかもしれませんが、それ以前のサイト検索は、文字通り労多くして実りの少ない作業でした。

 前置きが長くなりましたが、わたしたちの研究室では、こうしたインターネット上の健康・栄養情報を、効率よく探したりまとめたりするための調査研究を行っています。

 筆者自身は、研究室ができる以前の95年ごろからこうした調査研究をすすめていましたが、それは当時の貧弱なネット検索環境を反映して、有用なサイトを検索するためのアルゴリズムに重点をおいていました。

 しかし、Googleが現れてしばらくたった2001年(研究室ができた年)には、単に有用であるサイトを探すことは、もうそれほど重要ではなくなっていました。さらに、1998年ごろから欧米の学術雑誌サイトで論文をPDFで閲覧できるような仕組みが形作られてきていましたので、サイトよりも有用な情報そのもの、つまり最新の研究成果を、当時英語欧州語圏には既にいくつか存在した科学情報サイトから収集、閲覧できるようなシステムの研究をすることにしました。

 そこに機械翻訳機能、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、韓国、中国といった国々の情報の自動収集、健康食品の最新論文を米国立医学図書館のデータベースから毎日自動収集するシステムなどを作り足して、現在に至っています(その成果は『リンクDEダイエット』( https://www.nutritio.net/ )でご覧になれます)。

 また研究室では、インターネット情報の信頼性に関する研究も行っています。

 Googleのような検索サイトは、確かに20世紀の古い検索サイトに比べて、はるかに使いやすくなったのは事実ですが、この検索アルゴリズムの根本にあるものは一種の人気投票です。つまり、多くのひとが注目したページほど検索ランクの上位にくるということです。

 しかし、人気のあるページのほうが、そうでないページよりも間違いが少ないとは言えません。逆にうそが書かれているから人気があるのかもしれないのです。

 筆者らの調査では、一般的なサイトの信頼性の基準と書かれている栄養情報の科学的信頼性には一定の関係がありますが、そうでない場合もかなりの割合に上ります。専門家によるチェックがもっとも確実な信頼性評価法ですが、ウェブの規模、発展のスピードから考えるとあまり現実的な方法とはいえません。

 信頼できる情報だけを発信することが結局はウェブ全体の信頼性を高めることになるのではないかということで、『健康食品の安全性・有効性情報』など、研究所のほかの部署と共同してさまざまなシステムの開発も行ってきました。

 栄養教育ツール『生活習慣改善のための自己学習システム』や子供向けツール『えいようきっず』など開発中のものもいくつかありますので、いずれまた機会がありましたらご紹介できると思います。【廣田晃一】


ニュースレター「健康・栄養ニュース」第4巻4号(通巻15号)平成18年3月15日発行から転載

追記(2008.06.21):えいようきっずは2007年3月に公開して現在にいたっています。栄養教育ツールは、その後筆者は担当をはなれたので詳しいことはわかりませんが、最近になって一般公開されたようです。
プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:2 平均点:5.00
作成:2008/6/19 15:18:56 自動登録   更新:2009/2/10 13:56:55 自動登録   閲覧数:4932
前
プロジェクト紹介:食事摂取基準プロジェクト
カテゴリートップ
プロジェクト紹介
次
プロジェクト紹介:国民健康・栄養調査プロジェクト

メインメニュー