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 『食事摂取基準』というものをご存知ですか?

 これは、日本人が摂取すべきエネルギー(カロリー)やたくさんの栄養素(34種類あります)について、その考え方や量を定めたもので、厚生労働省から発表されています。

 『食事摂取基準』は、学校や病院の給食を作るときの基準として、保健所や病院などでの食事指導の基礎資料として、店頭などで販売される食品の栄養表示を決めるための根拠として、つまり、日本人が健康な生活を送れるよう、あらゆるところで使われています。

 現在使われているものは、昨年4月に発表された『日本人の食事摂取基準(2005年版)』です。食事摂取基準は、いままで栄養所要量と呼ばれてきたものですが、栄養学の発展、疾病構造の変化、諸外国の動きなどを参考に、その呼び名が改められたものです。

 『食事摂取基準』は、現在の日本人の栄養問題、健康問題をじゅうぶんに考慮した上で、日本をはじめ世界中の科学者による研究成果をまとめて作られます。そのためには、世界中で行われている栄養学研究に目を光らせ、取りこぼしのないように情報を集め、それを専門家の目で吟味し、正しい評価基準で評価したうえでまとめるという作業を行わねばなりません。

 この中心的役割を果たしているのが、食事摂取基準プロジェクトです。

 『栄養面から日本人の健康を支えるためのものさし作りをしているところ』とご理解いただけるとよいかと思います。とはいっても、この研究室だけですべての作業を行っているのではありません。研究所内外のたくさんの専門家にご協力をいただいています。この研究室はそのまとめ役といった感じです。

 『日本人の食事摂取基準(2005年版)』を策定したときには、およそ100人の研究者に作業をお願いし、合計で5万以上の研究論文や専門的な資料を世界中から取り寄せ、内容を吟味し、参考にしました。

 『食事摂取基準』は5年ごとに改定され、発表されます。現在のものは2009年度まで使われ、2010年度から次の新しいものに変わります。そのための作業がすでに始められています。

 ところで、この研究室は、他の研究所や大学で行われた研究を集めているだけではありません。自分たちでも活発な研究を行っています。

 特に、日本人の食べ方、つまり、栄養素・食品の摂取量と病気やからだの調子について、たくさんの人たちで調べさせていただき、両者の関連を調べる研究(栄養疫学研究と呼んでいます)を行っています。

 日本人と欧米諸国の人たちとでは食習慣は大きく異なります。病気の構造も異なります。したがって、『日本人の食事摂取基準』を作るためには、海外で行われた研究だけでは足りず、日本人を対象とした研究が不可欠です。

 栄養疫学研究は、わが国の栄養学研究の中では、少し遅れた分野ですが、日本人の健康を支えるために、とてもたいせつな学問分野ですから、このプロジェクトの使命は大きく、責任の重さを感じています。ご支援のほどよろしくお願いいたします。【佐々木 敏】



ニュースレター「健康・栄養ニュース」第5巻1号(通巻16号)平成18年6月15日発行から転載
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作成:2008/6/19 13:53:56 自動登録   更新:2009/2/10 13:51:26 自動登録   閲覧数:6867
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