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いま研究室では

食品保健機能プログラムは、
食品分析、補完成分、食品機能プロジェクト
の3つから構成されています。

 今回の研究室紹介では、プログラムを構成する各プロジェクトの研究概要を紹介すると共に、機能性成分としての脂質研究に関連する最近の話題を紹介したいと思います。


 食品分析プロジェクトは、厚生労働省が行っている食品保健行政の技術的な部分を担当しています。具体的には、厚生労働省が収去した特別用途食品、栄養表示がなされた食品について表示通りの栄養素や成分が含まれているのか評価検定を行うと共に特定保健用食品申請書類の分析、表示に関する適正化の確認などを行っています。
 
 また特定保健用食品における新たな食品成分への技術的対応を図るため、分析法や標準品の規格化等を試み、食品試験業務の適正かつ効率的な実施のための環境整備なども行っています。


 補完成分プロジェクトは、生理的な機能性が期待される食品由来成分の中から生活習慣病に代表される慢性疾患の予防・治療に有効な補完成分をスクリーニングし、細胞あるいは動物を用いて有効性を科学的に評価を行い、補完成分を用いた慢性疾患の新たな予防および治療法の可能性を探っています。


 食品機能プロジェクトは、テーラーメード機能性食品の開発を目指し、主に動脈硬化抑制効果を有する機能性食品成分に着目して研究を行っています。

 機能性食品成分として、n ?3系脂肪酸であるドコサヘキサエン酸やゴマセサミンあるいは様々な抗酸化作用を発揮する食品成分に着目し、抗動脈硬化機能性食品開発のためのスクリーニングを動脈硬化リスク因子に及ぼす影響や炎症あるいは血管内細胞傷害抑制因子の検索などを通じて行う予定です。


 この様に、我々のプログラムでは厚生労働省が収去した特別用途食品等の食品成分分析や表示に関する行政的な業務に対応しつつ、食品成分の機能性や健康影響に着目した基礎的研究を通じて、健康志向に基づく食品情報の収集・把握を行うと共に機能性成分の高次利用を目指しています。

 私は、食品分析プロジェクトに所属し、特別用途食品や特定保健用食品の分析や食品保健行政の技術的なサポートに携わっていますが、これらに加えて脂質の機能性あるいは栄養評価に関する検討も行っています。

 脂質は、生体にとって必須な栄養素(エネルギー源、細胞膜成分、ホルモン前駆体、脂溶性成分の担体など)である反面、生活習慣病のリスク因子を増悪させる食事成分としてのイメージが強い栄養素です。

 しかしこれまでの研究で、様々な生理機能を有する脂溶性成分が明らかにされ、植物ステロール、魚油(エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸)、中鎖脂肪酸、構造油脂、共役リノール酸などの一部は機能性食品素材として利用されています。

 脂質の過剰摂取は生活習慣病リスク因子の増加につながることから、摂取する脂質の質や量に配慮することが望ましい食品成分と考えられます。

 またトランス酸を含む油脂のように広く食品の調理加工に利用されている油脂の過剰摂取が生活習慣病リスク因子の増加と相関することが報告されるなど、これらの食事情を背景に近年では体中へ吸収されにくい油脂や低カロリー油脂あるいは代替油脂などの素材研究に注目が集まっています。これらの油脂は調理適正や嗜好性などに問題点が多く残されていますが、機能性に富む汎用油脂として期待されています。

 現在私は、新規機能性油脂のデザインと生理機能、栄養、安全性評価を通じて、生活習慣病に効果的な食用油脂の創成を試みています。【永田純一】

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第5巻2号(通巻17号)平成18年9月15日発行から転載
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作成:2008/6/19 11:21:24 自動登録   更新:2009/2/10 13:47:41 自動登録   閲覧数:6043
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