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グライセミック・インデックス(GI)とメタボリック・リスク・ファクター

?農村女性を対象とした横断研究?


■関連リンク(こちらもご参考にどうぞ)■
○日本人における肥満者の割合の経年的な変化
○神経管欠損症と受胎前後の糖類摂取およびGIとの関連


 食べ物(厳密には、炭水化物)を摂取すると、血糖値が上昇しますが、この上昇のしかたは食べ物によって異なります。この血糖の反応を数値化したものが、グライセミック・インデックス(GI)です。

 空腹時にブドウ糖を50g摂取したときの2時間後までの血糖変動曲線が描く面積を100として、それぞれの食品のGIが決められています。また、GIに炭水化物量を掛けた値はグライセミック・ロード(GL)と呼ばれます。

 最近、低GIや低GL食が、メタボリック・リスク・ファクターに有益な影響を与えることを示唆する報告が増えてきています。しかし、これらはもっぱら欧米諸国からであり、日本を含むアジア諸国からの報告はほとんどないのが現状です。日本人の主たる炭水化物源はめし類で、これは欧米とは大きく違うので、日本人におけるGIやGLとメタボリック・リスク・ファクターとの関連も、欧米でみられるそれとは異なるかもしれません。

 そこで、伝統的な食生活を送る農村女性を対象として、GIとGLといくつかのメタボリック・リスク・ファクターとの関連を調べてみました。


 調査に協力してもらったのは、全国5地域の農村女性1,345人(20?78歳)です。質問票を使って、過去1か月間に食べたものを詳しく尋ね、それをもとに食事のGIとGLを計算しました。また、身長・体重の測定と空腹時の採血を実施しました。

 GI、GLへの寄与が最も大きい食品は、精白めし(59%)でした(欧米では、いも、ブレックファスト・シリアル、パン、めしが5%ずつくらい)。

 図1が食事のGIとメタボリック・リスク・ファクターとの関連です。食事のGIが高くなるほど、ボディ・マス・インデックス、中性脂肪、空腹時血糖、およびヘモグロビンA1cが高くなっていました。

 図2が食事のGLとメタボリック・リスク・ファクターとの関連で
す。食事のGLが高くなるほど、中性脂肪と空腹時血糖は高くなり、HDLコレステロールは低くなっていました。

 このように、GI、GLへの主たる寄与源が欧米諸国と大きく異なる日本人女性において、食事のGIとGLといくつかのメタボリック・リスク・ファクターとの関連がみられました。

 近年、大きな問題となってきているメタボリック・シンドロームや2型糖尿病の増加に、GIやGL(もしくは、精白めし)が関与している可能性が示唆されますが、詳細はさらなる研究を待つ必要があるでしょう。

 この研究は、自治医科大学地域医療学センター環境医学部門(主任教授:香山不二雄)との共同研究として実施されました。【村上健太郎、高橋佳子、佐々木 敏】






出典:Murakami K, Sasaki S, Takahashi Y, Okubo H, Hosoi Y, Horiguchi H, Oguma E, Kayama F. Dietary glycemic index and load in relation to metabolic risk factors in Japanese female farmers with traditional dietary habits. Am J Clin Nutr 2006; 83: 1161-9.

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第5巻2号(通巻17号)平成18年9月15日発行から転載


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作成:2008/6/19 11:41:07 自動登録   更新:2009/2/6 10:24:37 自動登録   閲覧数:10830
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