ヒトの体の性質について
【質問】
現在、中学2年生の教科書には「ヒトの体の成分」について水分66%、たんぱく質16%と明記されています。
しかし、手元のデータは30年以上も前のものです。最新のものを知りたいので、データや資料、参考文献等を教えてください。
【解答】
結論から言うと、以下のとおりです。
・日本人の場合、特にたんぱく質の値がない。
・欧米では、白人のデータに基づいて、1980年代あるいは2000年に発表された数値が使われている。
→それらのいずれかを使用するのがよいのではないか。
「ヒトの体の成分」に関して、体重=体脂肪量+除脂肪量 と分類したデータであれば、いわゆる標準値とは言えませんが、複数の研究者のデータが存在します。
ただし、中学生年代は、体の組成が大きく変化する時期にあたります。例えば、水中体重秤量法は、
1)水中での体重を測り、
2)アルキメデスの原理から、体密度を求め(ヒトの体積は=体重?水中体重として計算)
3)成人の場合、体脂肪の密度を0.9、除脂肪密度を1.1という仮定のもと体脂肪率を測定します。
ところが、乳児期から少しづつ除脂肪密度が変化し、特に思春期には大きく変化するため、推定が難しくなります。除脂肪を構成する水分、たんぱく質、ミネラルの比率が変わることが原因です。
それ以上に問題なのは、たんぱく質の割合です。
子供はおろか、成人についても、それを正確に評価し標準値となる日本人のデータはほとんどありません。
欧米では、中学生年代については、以下の論文中(1983年)にあるデータに基づいた値(→Haschke, 1989)が使われています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed&Cmd=ShowDetailView&TermToSearch=6579821
それに対して、ヒューストンで生体を測定した値も発表されており、日本の食事摂取基準における、子供のたんぱく質の蓄積量の計算にも使われています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed&Cmd=ShowDetailView&TermToSearch=10865775
1980年代の数値か、2000年の数値かは迷うところですが、少なくともこのどちらかがよいと思います。
前者はいくつかの白人集団の少人数のデータを集めたもの。
後者はヒューストンの研究施設で測定した多人数のデータです。
あえていえば、2000年のほうでしょうか。
ただし、15歳あたりの値に若干ブレがあるようです。(←測定した対象集団の隔りなど) 【田中茂穂】
【質問】
現在、中学2年生の教科書には「ヒトの体の成分」について水分66%、たんぱく質16%と明記されています。
しかし、手元のデータは30年以上も前のものです。最新のものを知りたいので、データや資料、参考文献等を教えてください。
【解答】
結論から言うと、以下のとおりです。
・日本人の場合、特にたんぱく質の値がない。
・欧米では、白人のデータに基づいて、1980年代あるいは2000年に発表された数値が使われている。
→それらのいずれかを使用するのがよいのではないか。
「ヒトの体の成分」に関して、体重=体脂肪量+除脂肪量 と分類したデータであれば、いわゆる標準値とは言えませんが、複数の研究者のデータが存在します。
ただし、中学生年代は、体の組成が大きく変化する時期にあたります。例えば、水中体重秤量法は、
1)水中での体重を測り、
2)アルキメデスの原理から、体密度を求め(ヒトの体積は=体重?水中体重として計算)
3)成人の場合、体脂肪の密度を0.9、除脂肪密度を1.1という仮定のもと体脂肪率を測定します。
ところが、乳児期から少しづつ除脂肪密度が変化し、特に思春期には大きく変化するため、推定が難しくなります。除脂肪を構成する水分、たんぱく質、ミネラルの比率が変わることが原因です。
それ以上に問題なのは、たんぱく質の割合です。
子供はおろか、成人についても、それを正確に評価し標準値となる日本人のデータはほとんどありません。
欧米では、中学生年代については、以下の論文中(1983年)にあるデータに基づいた値(→Haschke, 1989)が使われています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed&Cmd=ShowDetailView&TermToSearch=6579821
それに対して、ヒューストンで生体を測定した値も発表されており、日本の食事摂取基準における、子供のたんぱく質の蓄積量の計算にも使われています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed&Cmd=ShowDetailView&TermToSearch=10865775
1980年代の数値か、2000年の数値かは迷うところですが、少なくともこのどちらかがよいと思います。
前者はいくつかの白人集団の少人数のデータを集めたもの。
後者はヒューストンの研究施設で測定した多人数のデータです。
あえていえば、2000年のほうでしょうか。
ただし、15歳あたりの値に若干ブレがあるようです。(←測定した対象集団の隔りなど) 【田中茂穂】
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作成:2008/1/22 10:36:36 自動登録
更新:2009/2/26 16:46:32 自動登録
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