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ビタミンDの生理作用

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 .2 | 投稿日時 2014/10/9 11:55
NH 
日本ビタミン学会のウェッブサイトの”やさしいビタミンの話”には「ビタミンDの生理作用は大きくカルシウム作用と非カルシウム作用に分けられます.カルシウム作用は,小腸でのカルシウム吸収,腎尿細管でのカルシウム再吸収,骨でのカルシウム沈着・溶出などの促進作用です.」とあります.つまり,V.Dは骨形成にも骨吸収にも作用するということです.

ところで,大阪大学の最新研究成果リリース(2013/04/09)を見ると,「ビタミンDは骨のガードマン」とのタイトルで以下のようなことが書いてあります.

「特に、大きな謎とされていたのは、ビタミンDがin vitro(培養容器内)の実験系では骨を壊す破骨細胞を増やす(=骨破壊を促す)ように作用することでした。in vivo(生体内)との実験系の違いの中に、謎を解く鍵があると考えられていた。ビタミンDが「破骨細胞を骨に近づけないようにして血管へ引き戻す」ことで骨破壊を抑制していることを初めて明らかにしました。」

ということは,今までV.Dが骨吸収にも作用すると思われていたのは,実際に生体内でそのような作用があるのではなく,in vitroでの現象にすぎないということなのでしょうか?栄研のどなたか教えてください.
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/10/15 11:17
石見佳子 
ビタミンDの骨への作用は、間接作用と直接作用があります。ビタミンDは、カルシウム代謝が正常な時には、小腸におけるカルシウム吸収や腎臓におけるカルシウムの再吸収を促進して血中のカルシウム濃度を一定に保つことで、結果的に骨へのカルシウムの沈着を促します。このようにビタミンDは、カルシウム代謝が正常な状態ではカルシウムを介して間接的に骨形成に寄与します。一方、血中のカルシウム濃度が低下した場合には、腎での活性型ビタミンDの合成が高まり、PTHと共同して骨からカルシウムを溶出し、血中のカルシウム濃度の恒常性の維持に寄与します。これがビタミンDの直接作用です。この時、活性型ビタミンDの血中濃度は通常の状態に比べて高い濃度を保っています。すなわち、ビタミンDの骨形成作用はカルシウムを介した間接作用、骨吸収作用は直接作用ということになります。
ところで、今回、骨粗鬆症モデル動物に治療で使われるビタミンDを投与して骨形成が亢進し、これはビタミンDが破骨細胞を骨に近づかないようにして血管へ引き戻すことによる、という新しい知見が得られたとのことです。これは骨粗鬆症という病態における薬理量のビタミンDの新しい作用メカニズムとしてとらえるのが適当ではないかと考えます。ビタミンDの生理作用は、生体側のカルシウム代謝の状況や活性型ビタミンDの血中濃度あるいは投与量によって、異なる作用が発揮されるものと考えられます。
投票数:19 平均点:5.79
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2014/10/20 16:40
NH 
石見様回答をありがとうございます.確認ですが,回答のなかで,「結果的に骨へのカルシウムの沈着を促します」とか,「間接的に骨形成に寄与します」「ビタミンDの骨形成作用はカルシウムを介した間接作用」とあるように,骨形成に対する作用は,小腸や腎臓でのCa吸収促進の結果の間接的なもので,骨に対する直接的な作用は無いと考えて良いのでしょうか?
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/10/20 19:17
ゲスト 
ビタミンDの最も重要な生理作用は、血中のカルシウムの恒常性の維持です。従って、現在、ビタミンDの骨への直接作用は骨吸収作用であり、骨形成についてはカルシウム代謝を介した間接作用と考えられています。ビタミンD受容体欠損動物においても、ビタミンDの骨形成への直接作用は明らかにされませんでした。ただし、今後は様々な遺伝子改変動物等を用いてビタミンDの骨形成に対する直接作用が証明される可能性はあります。
投票数:22 平均点:4.55

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