Welcome GUEST
重要なお知らせ
現在リニューアル中のため、これは閲覧のみの旧バージョンです。質問や検索はできませんのでご注意下さい。

Re: ビタミンDの生理作用

このトピックの投稿一覧へ

なし Re: ビタミンDの生理作用

msg# 1.1
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/10/15 11:17
石見佳子 
ビタミンDの骨への作用は、間接作用と直接作用があります。ビタミンDは、カルシウム代謝が正常な時には、小腸におけるカルシウム吸収や腎臓におけるカルシウムの再吸収を促進して血中のカルシウム濃度を一定に保つことで、結果的に骨へのカルシウムの沈着を促します。このようにビタミンDは、カルシウム代謝が正常な状態ではカルシウムを介して間接的に骨形成に寄与します。一方、血中のカルシウム濃度が低下した場合には、腎での活性型ビタミンDの合成が高まり、PTHと共同して骨からカルシウムを溶出し、血中のカルシウム濃度の恒常性の維持に寄与します。これがビタミンDの直接作用です。この時、活性型ビタミンDの血中濃度は通常の状態に比べて高い濃度を保っています。すなわち、ビタミンDの骨形成作用はカルシウムを介した間接作用、骨吸収作用は直接作用ということになります。
ところで、今回、骨粗鬆症モデル動物に治療で使われるビタミンDを投与して骨形成が亢進し、これはビタミンDが破骨細胞を骨に近づかないようにして血管へ引き戻すことによる、という新しい知見が得られたとのことです。これは骨粗鬆症という病態における薬理量のビタミンDの新しい作用メカニズムとしてとらえるのが適当ではないかと考えます。ビタミンDの生理作用は、生体側のカルシウム代謝の状況や活性型ビタミンDの血中濃度あるいは投与量によって、異なる作用が発揮されるものと考えられます。
投票数:19 平均点:5.79

投稿ツリー

  条件検索へ


メインメニュー