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食品機能研究室が取り組んでいる機能性食品の利用に関する研究について


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DHAを守る抗酸化的防御機能と、その機能性食品素材開発への応用


【はじめに】
 食生活による生活習慣病予防や改善の観点から健康食品への関心が高く、種々の機能性食品が市場に出回り、消費者自身の判断で自由に利用することができます。
健康食品の利用者の中には、特定の機能性食品を摂取すれば食生活が乱れても効果が保証されると過信して摂取したり、過剰に摂取をしたり、また同様の効果がある機能性食品を何種類も一度に摂取したりと必ずしも適正な摂取とは言えない利用者が見られます。

【対象および方法】
 これまで、脂質代謝改善効果や体脂肪蓄積に効果的な健康表示がされている機能性食品に着目し、これらの食品を同時に摂取したり、過剰に摂取した際の有効性や健康影響に関して動物を用い検討を行いました。

 具体的には、クルクミンやアシタバなどの「いわゆる健康食品」やジアシルグリセロールと難消化性デキストリン、ジアシルグリセロールと大豆タンパク質、ジアシルグリセロールとグロビンタンパ
ク分解物あるいは中鎖脂肪酸を含む食用油脂とβコングリシニンなどの機能性食品併用摂取による影響についてラットを用いて検討を行いました。

【研究結果と考察】
 いずれの実験においても健康影響に至る顕著な事象は観察されませんでした。有効性に関して、「いわゆる健康食品」は明確な効果を確認できませんでしたが、機能性食品では個別の食品において一定の効果を観察しました。

しかし、これらの機能性食品を併用摂取しても顕著な相乗・相加効
果あるいは相殺効果などは認められませんでした。

これらの結果からは、機能性食品の併用摂取は必ずしも期待以上の効果を示さないことが推察されました。

 科学的なエビデンスを有する機能性食品でも、効果は普遍的ではありません。
個々の生活習慣や食事内容、利用方法などに影響されるため、過度に期待して利用するのではなく、機能性成分を含む食品を日常の食生活に意識的に取り入れ、バランスの取れた食事を心がけることが大事ではないでしょうか。

【今後の方向性】
 健康食品の安心・安全な利用という観点から今後の主な研究テーマとして、健康表示が薬の効果に類似する機能性食品の摂取が薬効や健康影響に対してどのような作用を及ぼすのか?あるいは疾患のリスク因子に健康食品が影響を及ぼさないのか?など生活習慣病ハイリスクグループの機能性食品利用に関する基礎的研究を行う予定です。

 当研究室では、健康食品の安心・安全な利用のための研究を最も重要なテーマとして取り組んでいます。



関連研究論文
1) Nagata J, et al., Evaluation of the correlation between
amount of curcumin intake and its physiological eff ects in
rats. Food Sci. Tech. Res., 11, 157-160, 2005
2) Nagata J, et al., Eff ects of simultaneous intakes of indigestible
dextrin and diacylglycerol on lipid profi les in rats fed
cholesterol diets. Nutrition, 22, 395-400 2006
3) Nagata J, et al., Eff ects of dietary Angelica keiskei on serum
and liver lipid profi les, and body fat accumulations in
rats. J. Nutr. Sci. Vitaminol., 53, 133-7, 2007
4) Nagata J, et al., Eff ects of simultaneous intakes of soybean
protein and diacylglycerol on lipid profi les and body fat accumulation
in rats. Biosci. Biotechnol. Biochem., 73, 1328-
32, 2009
ニュースレター「健康・栄養ニュース」第10巻1号(通巻36号)平成23年6月15日発行から転載


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作成:2011/7/20 10:33:13 自動登録   更新:2011/7/20 11:50:30 自動登録   閲覧数:6135
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