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避難生活で生じる健康問題を予防するための運動・身体活動について

 避難生活により、高齢者は座りきり・寝たきりの生活を強いられることが多くなります。このような状況は、血液が凝固し血管を詰まらせてしまう深部静脈血栓症いわゆるエコノミー症候群や、体力の低下に伴う自立度の低下(廃用性症候群)を引き起こし、高齢被災者の健康と生活の質を著しく損ないます。

国立長寿医療研究センター研究所生活機能賦活研究部の調査では、2004年の新潟県中越地震の際、要介護認定を受けていない長岡市の65歳以上の高齢者の約3割が、歩行に難しさを感じるようになったと報告されています。

また、先の東日本大震災においても、仙台市内の避難所にいたお年寄りで、被災前に介護保険の要介護認定を受けていない人や、受けても介護や支援が必要ないと認定された人計102人中、歩行や着替えなど日常生活動作が「難しくなった」と答えた人は64人にのぼり、中には一部介助が必要な程度に悪化した人も7人いたと報道されています(4/27朝日新聞)。

 これらの健康問題を予防するために、不便な避難生活においても短時間で効果的に行うことができる運動・身体活動を以下の図で紹介します。
 これらの運動は、座りきりや寝たきりの高齢者が体を動かす際に起こりがちな、転んだり気分が悪くなったりするような悪影響をできるだけ少なくするよう、以下のポイントを踏まえ考案しました。


1) 臥位→座位→立位と姿勢の変化を段階的に行い、血圧の変化や転倒リスクを抑える。
2) 活動している筋や部位また活動強度が段階的に増やし、傷害や心・血管イベントのリスクを減らす。
3) 単なる簡便な体操でなく、外出などの日常活動の活発化に繋げる。
4) 無理なく継続できる。


適度な運動は、避難生活におけるエコノミークラス症候群や廃用性症候群(生活不活発病)の予防だけでなく、気分の落ち込みなどのメンタルストレスの解消にも効果があることが知られています。高齢者だけでなく、児童・生徒や青壮年者も、取り組み可能な範囲で運動・身体活動に取り組むことが勧められます。



ニュースレター「健康・栄養ニュース」第10巻1号(通巻36号)平成23年6月15日発行から転載

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作成:2011/7/14 15:44:30 自動登録   更新:2011/7/14 16:25:47 自動登録   閲覧数:6008
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