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健康・栄養情報の一元化ということ

【はじめに】
 IT支援プロジェクトは、多様な健康・栄養情報を発信するために「リンクDEダイエット」(https://www.nutritio.net/)などのサイト運営を行っています(図)。



現在このサイトの主要コンテンツは、1日に10-20件の海外の最新学術文献を日本語で紹介したニュース記事ですが、当初は特別プロジェクトの一般公開を目的としたサイトでした。本稿ではこれまでの変遷を簡単に述べたいと思います。

【前史:健康栄養科学知識基盤倉庫】
 「リンクDEダイエット」サイトは、国立健康・栄養研究所で1996年に開始された特別プロジェクトに端を発しています。この「健康栄養科学の知識基盤の整備に関する研究」プロジェクト(主任・戸谷誠之)は、健康・栄養情報の一元化を目指すプロジェクトであり、その成果としていくつかの主題を軸とした分担報告書をハイパーテキスト化して公開したのが、現在に続くサイトのはじまりでした1)。

【情報の蜘蛛の巣をつくる・その1】
 ウェブでは当初、同じ内容の英語ページと日本語ページを同時に提供するのが当然のように考えられていましたが、しだいにこの原則は崩れていきました。日本だけでなく英国を除く欧州や東アジア各国でもウェブは自国語が基本で英語版とかなり差のある場合がしばしば見られました。そのために各国の栄養行政などを調べるためには各国語のページにアクセスすることが必要だったことから、多言語表示によるサイトを構築してこれに対応しました2)。

【情報の蜘蛛の巣をつくる・その2】
 現実には「すべて」の健康・栄養情報を文字通り一元化するためには膨大な作業が必要ですが、栄養学というものは常に変化しており、健康・栄養情報の一元化というのが、常に更新される最新の情報にそったすべての情報の束ね直しの連続過程なのだという考え方もできます。そのためには最新情報の提供が第一に必要です。

 このような観点から、「リンクDEダイエット」では当初の一元化はあきらめて、常に最新の情報をフォローするための改良を行いました。機械翻訳と組み合わせたボットと呼ばれるウェブ自動収集プログラムを開発し、サイトやニュースの自動取得も行うようになり現在に至っています3?5)。

【今後の方向性】
 1996年にプロジェクトが始まったときは、まだGoogleのような優れた検索エンジンが存在しませんでした。今年(2010年)、ほぼ10年ぶりに「リンクDEダイエット」のデザインをリニューアルしました。専門家にも一般人にもより使い勝手の良いサイトを目指して今後も改良を続けていきたいと考えています。

【情報センター /IT支援プロジェクト 廣田 晃一】

関連研究論文
1) 瀧本秀美、他:健康・栄養情報データベースの構築と応用,第18回医療情報学連合大会論文集、762, 1998.
2) 廣田晃一、他:健康栄養科学マルチリンガルウェブサイトの構築、医療情報学、20 (Suppl. 2): 940, 2000.
3) 廣田晃一、他:日本語による健康栄養学最新情報探索サーバの構築、医療情報学、 22(Suppl.); 736, 2002.
4) 古池直子、他:科学的根拠に基づく「健康食品」情報収集支援サイトの構築、医療情報学、26 (Suppl.): 446, 2006.
5) 細井俊克、他:健康・運動関連情報の分析?運動方法学的観点からの運動ニュース解析、医療情報学、27( Suppl.): 935, 2007.

(当研究所機関誌「健康・栄養ニュース第34号」(平成22年12月15日発行)より転載)
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作成:2011/1/11 17:52:22 自動登録   更新:2011/1/11 17:54:11 自動登録   閲覧数:32848
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