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「運動基準改訂のための大規模介入研究」
健康増進プログラム/運動ガイドラインプロジェクト

【はじめに】

 運動ガイドラインプロジェクトはその名が示す通り、厚生労働省の運動ガイドラインである「健康づくりのための運動基準2006」ならびに「エクササイズガイド2006」の改訂に必要な研究業務を行っています。

【【対象及び方法】

 運動基準2006で示された身体活動量や体力の基準値の妥当性を検証するための大規模介入研究の遂行が本プロジェクトの最大のミッションです。これは、30歳?64歳までの健康な人を、身体活動量の基準値を満たす“活動群”と、基準値未達成者に分け、さらに未達成者を“非活動対照群” と基準を達成するよう活動量計を用いて指導する“身体活動介入群”に割り付け、3群間の身体活動量や危険因子の変化を将来にわたって観察する無作為割り付け比較試験です(図1)。
本研究は登録被験者数1,000名を目指し、研究を遂行中で、現在ベースライン測定を787名が終了しており、そのうち1年目測定を終了した被験者が486名、2年目測定を終了した被験者が230名となっています。

【結果】

 本研究のベースラインデータを横断的に解析することや、まだ一部ですが1年間の追跡によって、いくつかの興味深い知見が得られてきました。
(1)従来から全身持久力(体力の一要素で粘り強さの指標)が高い者は心臓病の発症リスクが低いことがわかっていましたが、その原因が不明でした。全身持久力が高い者を低い者と比較すると、中年以降の者では動脈が硬く、動脈壁が肥厚しており、また左心室壁が肥大していました。すなわち、若い頃からウォーキングやスポーツなどに取り組み全身持久力を高く保つことは、血管や心臓を若く保ち、脳卒中や心筋梗塞を予防する効果があることを示唆しています。
(2)体の柔軟性は膝を伸ばして座り、足の爪先に手の指先が届くか否かで簡便に評価することができます。爪先に指が届く人の動脈の硬さは、届かない人と比較して、中年では血管年齢で5歳程度、高齢者で10歳程度柔らかいことが明らかになりました。
(3)活動量計を携帯し、それに基づいた指導を受ける身体活動介入群は非活動対照群と比較して、歩数や身体活動量の増加が大きいことや、身体活動量の基準値を達成する者の割合が多いことが明らかとなってきました。自身の身体活動量を知り、エクササイズガイドに関する正しい知識を持つことの重要性が示唆されています。

【今後の方向性】

 簡単に紹介しましたが、これらの研究業務を通して、「健康づくりのための運動基準2006」において示された身体活動量や体力の基準値の妥当性の検証や、個人に対して至適化された身体活動量支援を可能にするための科学的データの収集・解析を、今後も行って参ります。

関連研究論文


1) Gando Y et al. Age and cardiorespiratory fi tness are associated with arterial stiff ening and left ventricular remodelling. J Hum Hypertens. 2010 Mar. 24( 3):197- 206.
2) Miyatani M et al. Required muscle mass for preventing lifestyle-related diseases in Japanese women. BMC Public Health. 2008 Aug 18; 8: 291.
3) Yamamoto K et al. Poor trunk fl exibility is associated with arterial stiffening. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2009; 297( 4): H1314-1318.



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作成:2010/4/8 12:56:39 自動登録   更新:2010/4/8 13:31:44 自動登録   閲覧数:5825
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