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栄養増進プログラム

3.進捗状況(成果)


a.運動ガイドラインプロジェクト

・運動基準2006で示された身体活動量、運動量、体力の基準値の妥当性について検討するための大規模無作為割付け介入研究について、本年度は、650名を3群に割り付け、非活動な介入群に対し三次元加速度計を用いた身体活動改善指導を実施した。
 ベースライン測定結果を横断的に分析すると、体力(最大酸素摂取量)の低い者は高い者と比較して、動脈スティフネス、血圧、体重、腹囲、血糖値などほぼ全ての生活習慣病危険因子が高いことが示された。また。3次元活動量計で評価した、3メッツ以上の強度の身体活動の量も、体力ほどその関連は強くないが、動脈スティフネスや中性脂肪と関連することが示唆された。
 1年間の介入期間終了後、3メッツ以上の強度の身体活動の量が介入群のみで有意に増加した。また、介入群のみでHDLコレステロールの低下が見られなかった。それ以外の生活習慣病リスクファクターの変化に3群間で有意差は認められなかった。

・新しい筋力トレーニング方法の一つである緊張力維持法(スロトレ)の効果を検討するために、37名の健康男性を対象として、スロトレ群、通常筋トレ群、対照群の3群を比較する無作為割付介入研究を実施した結果、通常の筋トレとは対照的に、スロトレは動脈スティフネスを改善すること、通常筋トレ群とスロトレ群両方で大腿筋厚や四肢血流量が増加すること、安静時代謝が増加することが示唆された。また、スロトレ実施後は、自転車運動などの動的運動中の活動筋放電パターンが、平坦化し、効果的な筋力発揮ができなくなることが示唆された。

・「エクササイズガイド2006」で示された持久性能力の簡便な推定法の推定精度は低いことが明らかになったことから、より推定精度の高い歩数及び身体活動量等による最大酸素摂取量の推定法を開発した。

・健康運動指導士がエビデンスに基づいた身体活動・運動指導を行うための研究論文データベースを、健康・体力づくり事業財団と協力して作成した。平成18年度末には約1,200本の論文データベースが構築されたが、本年度は歩数、身体活動、運動リスクマネージメントなどのテーマを中心に約50編の論文をデータベースに追加した。

・佐久肥満克服プログラムの身体活動量評価ならびに身体活動・運動介入を担当した。平成19年7月の1年目測定から約12ヶ月間の身体活動量評価及び活動量計を活用した自己管理による介入を実施した結果、一日あたり約1,800歩の身体活動量の増加が見られ、収縮期血圧約8 mmHg、体重4.5kg、腹囲4cm、並びに内臓脂肪量の低下が観察された。


b.エネルギー代謝プロジェクト

・20?79歳の成人男女について、DLW法で測定した1日のエネルギー消費量と内藤らが開発した身体活動量評価の簡易質問紙により評価した活動量を比較し、その妥当性の評価、身体活動レベルに影響する活動の内容について検討した。その結果、本質問紙は従来の質問紙に比べ、DLW法により測定したエネルギー消費量との相関は高いが、身体活動レベルで区分する場合には、誤判別が多いこと、身体活動レベルには、かなり軽度の活動と中強度の活動の時間が関連していることが明らかになった。

・小学生から高校生の身体活動量の評価の研究の一環として、高校生男女65名について、DLW法によるエネルギー消費量の測定、生活活動の調査、歩数の調査を実施した。サンプルの分析を進めており、中学生78名のデータにおいて、総エネルギー消費量は2,556±589kcal、身体活動レベルは1.85±0.28であった。

・69名の小学生を対象に、様々な活動別の活動強度を測定するとともに、加速度計による推定法の妥当性を検討した。

・成人を対象として、市販の加速度計について、歩行スピードとピッチを変えた時のエネルギー消費量及び歩数の評価の精度に与える影響について検討した。その結果、一軸の加速度計では、低ピッチの歩行においてエネルギー消費量を過少評価し、その傾向は歩行スピードが速くなるほど大きいことが明らかになった。

・レジスタンストレーニングによる介入の効果、およびボディビルダーと一般健常人との比較のいずれにおいても、ヒューマンカロリメーターにより評価した脂質酸化能に、対照群と有意な差はみられなかった。

・睡眠時代謝量とその後の体重増加との間には、有意な関係はみられなかった。


c.休養プロジェクト

・大学生の長距離選手を被験者とし、10日間の強化合宿による身体疲労と精神疲労の発生・減衰を、睡眠時心臓自律神経バランスと心理状況アンケートを指標として調査した。同じ合宿に参加した44名の選手については、心理状況アンケートのみを行ったが、強化合宿後の方が合宿前よりも疲労を含め心理状況は改善していた。

・女子長距離選手において、夏期合宿による身体疲労が血清生化学検査における有意の変動として認められない場合でも、非特異的免疫である血清オプソニン化能の低下として認められることを明らかにした。

・血清の新しい総抗酸化能の測定法を確立し、女子大学生127名について測定を行い、血清の総抗酸化能には尿酸の寄与が大きいことを明らかとした。

・女子大学生11名を被験者とし、心拍スペクトル解析による連続した3日間の月経前の睡眠時心臓自律神経バランスの変動と睡眠に対する主観的満足度及び心理状況アンケートの関連性について現在解析中である。

・プロスタグランジンE2による熱産生誘起に視床下部終板器官周囲部でGABAの作用を抑制する機構が存在する可能性、及び中枢性肥満の誘起に腹部臓器でアセチルコリン受容体を介した細胞増殖機構がある可能性を明らかにした。
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作成:2009/10/23 16:20:26 自動登録   閲覧数:3311
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