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DHA を守る抗酸化的防御機構とその機能性食品素材開発への応用


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 ドコサヘキサエン酸(DHA)という脂肪酸の名前を見聞きしたことのある人はかなり多いと思います。

 DHAは魚油に多く含まれる高度不飽和脂肪酸ですが、近年、DHAに対する消費者の関心が急速に高まり、いわゆる健康食品をはじめ一般食品、医療用補助剤、サプリメント、さらに調製粉乳としての消費が急増しました。現在では、エイコサペンタエン(EPA)と共に、生活習慣病である循環器疾患の予防に大変有効であることがほぼ明らかになっています。

 しかし、DHAは化学構造上極めて酸化され易いことも周知の事実であり、過酸化脂質・フリーラジカルを生成しやすく、食品開発においてはその易酸化性が問題となります。

 最近、我々は酸化からDHAを守る抗酸化的なリン脂質膜立体構造を発見しました。これは、私たちの体の中で働いていると予測される新たな抗酸化的防御機構を解明するために行っている研究から得られた成果です。私たちの体の中ではDHAの分布に偏りがみられ、組織レベルでは、脳(記憶や学習能に関与する海馬)、神経系、網膜、さらに心筋や精子などに比較的多いことが分かっています。

 さらに、DHA分布の偏りは分子種レベルでもみられ、細胞膜を構築しているリン脂質の一種、ホスファチジルエタノールアミン(PE)などのアミノリン脂質に多く含まれるという特徴があります。PE は細胞形質膜の内層に多いことから、我々は、細胞膜のモデルであるリン脂質二重層からなるリポソームを用いて、DHAの酸化安定性について検討を行いました。

 その結果、ラジカルが攻撃してくる方向にDHAを含有するPE の極性基を配向させた膜では、同分子中のDHAが酸化されにくくなることが分かったのです。この成果は、酸化的により安定なDHA含有機能性食品素材として、DHAを強化した生活習慣病リスク因子低減のための栄養補助食品、医療用補助剤の開発や、DHA含有食品の常温における流通への可能性に道を開くことが期待されることから、特許出願中です。【久保和弘】



出典:Docosahexaenoic acid-containing phosphatidylethanolamine in the external layer of liposomes protects docosahexaenoic acid from 2,2' -azobis(2-aminopropane)

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第2巻1号(通巻4号)平成15年6月15日発行から転載


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作成:2008/7/17 14:45:38 自動登録   更新:2009/2/9 14:30:07 自動登録   閲覧数:4586
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