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人の比較的低ナトリウム(Na)摂取下におけるカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の負の出納


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 食塩摂取量1日6gの条件下でややきつい運動をしたときの汗中のミネラル(Na,K,Ca,Mg)濃度を測定すると、Na濃度が低下するとともに、Ca濃度が増加した。この機序として、Naの摂取量が不足すると、骨に貯蔵されているNaが動員され、同時にCaも骨から溶出するためと考えた。

 そこで、低Na摂取下にミネラル(Na,K,Ca,Mg)出納とNa代謝に影響をおよぼすホルモンを測定した。

 連続する2回5日間の出納期を含む17日間の代謝実験を計画した。実験の目的と内容について十分な説明を受け、書面による参加同意書を提出した6名の大学生女子が実験に参加した。

 第2日朝6時から第17日朝8時30分まで、尿の試料を採取し、24時間尿中ミネラル排泄を測定した。第4、9、14日早朝には早朝空腹時採血を行い、色識別剤(カルミン0.5g)を朝食直前に摂取した。3名の被験者は最初の出納期に被験者が選択した強さ(1.25?1.5kp,50?60rpm)の自転車エルゴメータによる1日60分の運動をした。残りの3名は二番目の出納期に実施した。運動中の腕汗は皮膚表面を洗浄後採取した。

 実験中の食事は5日周期のサイクルメニューで食品成分表による計算では日本人の所要量を充足している。

 糞便試料は実験期間中採取し、糞便に排泄された、摂取した色識別剤によって、第1期、第2期の食事に由来する糞便を分離した。

 試料は必要に応じ硝酸と過酸化水素水を用いホットプレートで湿式灰化し、ミネラル(Na,K,Ca,and Mg)は原子吸光法で測定した。

 食事は比較的Naが低く(100mmol/d or 2.2g/d)、Ca(20mmol/d or 800mg/d)とMg(12mmol/d or 280mg/d)は十分量であった。血漿レニン活性アルドステロンは実験期間中基準値を超えNa不足が示唆された。しかし、尿中Na排泄は摂取量とほぼ等しく軽運動中の汗中Na濃度低下は観察されなかった。

 一方、尿中Ca、Mg排泄レベルは高く、CaとMgの見かけの吸収率は高くはなく(それぞれ、21±5%,34±4%)、両者の出納は負となった。骨中に蓄えられたNaが溶出し、食事からのの少ないNa摂取を償い、その結果過剰なCaとMgがNaとともに血流に流れ込み、両者の腸管吸収を抑制し、尿中排泄を亢進したものと推察した。【西牟田守】




出典:Negative Balance of Calcium and Magnesium under Relatively Low Sodium Intake in Humans. K odama N, Nishimuta M, Suzuki K:J Nutr Sci Vitaminol. ;49(3), 201?209, 2003

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第2巻4号(通巻7号)平成16年3月15日発行から転載


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作成:2008/7/14 14:24:32 自動登録   更新:2009/2/9 10:45:59 自動登録   閲覧数:6438
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