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日本人は内臓脂肪が多いのか?
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日本人は内臓脂肪が多いのか? ―メタアナリシスによる検討―

 日本人は、欧米人と比べると、極端に太った人が少ないにも関わらず、わずかに太っただけで糖尿病をはじめとする生活習慣病の発症率は高くなると言われています。

 そのため、国際的にはBody Mass Index(BMI)30kg/m2以上を肥満と判定するのに対し、日本では25kg/m2とかなり低く設定されています。

 その原因の一つとして、「日本人は内臓脂肪が多いのではないか」と考えられていますが、日本人の内臓脂肪が本当に多いのか、科学的には検証されていません。

 そこで、これまで様々な文献で報告された日本人(日系アメリカ人等は除く)における腹部の内臓脂肪断面積の値を、欧米の白人や黒人と比較することにしました。

 一定の条件で測定された内臓脂肪や腹部皮下脂肪の断面積、および年齢の平均値や人種が明記された文献を、英語や日本語の医学論文検索システムを使って検索し、分析に用いました。

 それらの文献に示された皮下脂肪断面積の平均値を横軸、内臓脂肪断面積の平均値を縦軸に表すと、図のようになります。内臓脂肪断面積の平均値は、日本人と白人でほぼ同じでした。

 しかし、日本人の方が腹部皮下脂肪断面積の値はかなり小さいので、腹部皮下脂肪と性別・平均年齢を補正してみました。すると、日本人の方が、腹部皮下脂肪断面積が同じであれば内臓脂肪断面積が約15cm2大きいという結果が得られました。図でも、日本人の値の多くが、全体の点の中で上の方に存在していることがわかります。ただし、欧米の黒人も交えて同様の分析を行うと、黒人は白人より約38cm2小さいという結果でした。それと比べると、日本人と白人の差は半分以下です。

 最近、日系アメリカ人を主とする米国在住のアジア人でも、白人より内臓脂肪が多いという結果も得られています。測定法の違いなどメタアナリシスには問題もありますが、生活環境の違いだけでなく、日本人は生来、内臓脂肪が多いということが考えられます。【田中茂穂】

出典:Tanaka S, Horimai C, Katsukawa F. Ethnic differences in abdominal visceral fat accumulation between Japanese, African-Americans and Cauca-sians : a meta-analysis. Acta Diabetol : 40 : S302-S304, 2003.


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作成:2004/7/8 14:56:03 自動登録   更新:2009/1/27 10:26:03 自動登録   閲覧数:14898
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