Welcome GUEST
重要なお知らせ
現在リニューアル中のため、これは閲覧のみの旧バージョンです。質問や検索はできませんのでご注意下さい。
トップ  >  研究紹介  >  プロジェクト紹介  >  プロジェクト紹介:食品機能プロジェクト
プロジェクト紹介:食品機能プロジェクト


「活性酸素」と「抗酸化物質」

 私たちが生きて行くのに酸素は必要不可欠です。

 しかし、その酸素から生まれる「活性酸素」が生活習慣病を始め、がん、アルツハイマー病などの多くの疾患の発症に関係していることが近年明らかとなってきました。

 この活性酸素から体を守り、健康を保つために、野菜・果物などに豊富に含まれている「抗酸化物質」が注目されています。

 ぶどう(ワイン)やブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、お茶に含まれるカテキン、かぼちゃやにんじんなどの緑黄色野菜に含まれるβ-カロテン、チョコレートに含まれるカカオポリフェノール、抗酸化ビタミンであるビタミンCやビタミンE。

 これらは食品中に含まれている抗酸化物質のほんの一例です。私たち「食品機能プロジェクト」では、こうした食品が持っている抗酸化力に注目して研究を行っています。


食品の抗酸化力を表す指標の確立

 最近、「アントシアニン○○mg含有」、「カテキン××mg含有」というように、抗酸化物質の含有量を表示した野菜ジュースやお茶などを目にすることも多くなってきました。

 では、仮にアントシアニン100mgを含有している商品とカテキン100mgを含有している商品を比較する場合、これらの抗酸化力は同じと考えて良いのでしょうか?答えは「いいえ」です。

 その理由は、それぞれの抗酸化物質がそれぞれに固有の抗酸化力を持っていて、少量で高い抗酸化力を発揮する抗酸化物質もあれば、大量でもそこそこの抗酸化力しか発揮できない抗酸化物質もあるからです。

 つまり、抗酸化物質の含有量が同じでも、抗酸化力も同じとは限りません。そのため、専門知識がないと、抗酸化物質の含有量からその抗酸化力を判断し、商品の比較を行うことは大変困難です。

 このような背景から、海外を始め食品の抗酸化力を数字で示した指標(目安)が求められています。

 私たちは、食品の抗酸化力に対する統一した指標「Antioxidant Unit」の確立を目的としたAntioxidant Unit 研究会(https://www.antioxidant-unit.com )に参画し、他の大学や研究機関と共同して食品の抗酸化力に関する研究を行っています。


食品の抗酸化力データベースの作成

 食品の抗酸化力の総合的な指標となるAntioxidant Unitを用いることで、専門知識が無くても食品の持つ抗酸化力を知り、より抗酸化力の高い食品を選択することができるようになります。

 では、いったいどれくらいの抗酸化力を摂取すれば、活性酸素により引き起こされる疾病のリスクが減少し、健康を維持できるのでしょうか。

 実は、具体的な数字を示すデータは今現在未だありません。これは、従来の研究は主に個々の抗酸化物質に着目して行われてきており、食品全体の抗酸化力に関する研究は始まったばかりだからです。

 「私たちが一日に摂取している抗酸化力は合計するとどれくらいになるか?」というような基礎的なデータすらまだまだ不充分です。

 そこで、私たちは食品全体の抗酸化力に関する研究の第一歩として、可能な限り多くの食品について抗酸化力の測定を現在行っています。

 測定結果をまとめデータベース化することで、食事調査などのデータから、抗酸化力摂取量を求めることが可能と予測されます。

 抗酸化力の摂取量と生活習慣病の発症リスクなどの因果関係を明らかとすることができれば、酸化力の必要量(どのような食品を、どのくらい食べれば良いか)を明確に示せるのではないかと考えています。【山田和彦、竹林 純】



ニュースレター「健康・栄養ニュース」第6巻4号(通巻23号)平成20年3月15日発行から転載
プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:3 平均点:3.33
作成:2008/6/12 9:53:33 自動登録   更新:2009/2/10 13:37:56 自動登録   閲覧数:6183
カテゴリートップ
プロジェクト紹介
次
プロジェクト紹介:脂質・糖代謝プロジェクト

メインメニュー