血圧の薬とウコン(クルクミン)摂取について

健康食品情報プロジェクトスタッフです。
お問い合わせを拝見いたしました。

「『健康食品』の安全性・有効性情報」には、健康食品等に利用されている素材情報を掲載しておりますが（製品情報ではありませんので、ご注意下さい）、「クルクミン」と降圧薬との相互作用については、現在のところ情報が収集できていない状況です。クルクミンを含む「ウコン」では、ラットの実験により、CYPで代謝される薬物への影響が示唆されています。LosartanはCYP2C9およびCYP3A4、AmlodipineはCYP3A4で主に代謝されることが報告されており、in vitroの実験ではクルクミンがヒトのCYP1A2, CYP3A4, CYP2D6, CYP2C9, CYP2B6, グルタチオンS-トランスフェラーゼの分子種(GSTA1-1, GSTM1-1, GSTP1-1)を阻害することが報告されています。また、Curcuminoid類の抽出物はヒトの硫酸転移酵素, CYP2C19, CYP2B6, CYP2C9, CYP3A, UDP-glucuronosyltransferase (UGT)活性を阻害することも報告されているので、相互作用を起こす可能性も考えられます。
ただし、通常の食事から摂取するクルクミンの量では、薬物と相互作用を起こすことは考えにくいので、かかりつけのお医者様から特別に注意を受けている場合を除いて、降圧薬を飲んでいるからといって、クルクミンが含まれている食品（カレーなど）をあえて避ける必要はないと思われます。しかし、サプリメントなどの濃縮物として摂取する場合は、思わぬ影響やクルクミン以外の含有成分の影響（カリウムなど）を受ける可能性があるため、お薬との併用は避けたほうがよいと思われます。

以上、ご参考になれば幸いです。

血圧を下げる薬「Losartan」「Amlodipine」に対してクルクミンの併用摂取に障害はありますか？