アルギニンは小児には必須アミノ酸か？

ヒトの必須アミノ酸についてお尋ねします．
イラストレイテッド・ハーパー生化学（原書29版）には，アルギニンは合成速度が小児の成長を支持するには不十分であるため，栄養学的準必須アミノ酸であると書いてあります．また，インターネットのウェッブページにもそのような記述を見かけます．しかし，「タンパク質・アミノ酸の必要量」（WHO/FAO/UNU合同専門委員会報告2007)の第9章乳児と幼小児のタンパク質と?ではアルギニンについて全く記述がありませんし，この章の不可欠アミノ酸に関する表を見てもアルギニンは出てきません．現段階では，アルギニンについてはどう考えたらよいのでしょうか．また，アルギニンが小児の成長には体内合成が不十分であるということの根拠となる論文の代表的なものを教えてください．

アルギニンは、「条件的必須アミノ酸」と言われています。最新の栄養・食糧学用語辞典（第２版）に下記のような記載があります。

非必須アミノ酸の中で、体内で合成できるが、生理学的状態や病理学的状態によって体内合成量では要求量を満たさないことがあるアミノ酸を条件的必須アミノ酸といい、成長の早い乳幼児期ではアルギニンが必須である。

お問い合わせに関する明確な出典はわかりません。
下記の論文が参考になるかもしれません。

Amino acid requirements of children: minimal needs of tryptophan, arginine and histidine based on nitrogen balance method.　Nakagawa I et al.
J Nutr. 1963 Jul;80:305-10.　 PMID: 13937352

Amino acid needs for early growth and development.　Pencharz PB　et al.
Nutr. 2004 Jun;134(6 Suppl):1566S-1568S. PMID: 15173431

何れもネットで全文が入手できます。

質問者です．論文紹介ありがとうございました．読んでみます．「タンパク質・アミノ酸の必要量」（WHO/FAO/UNU合同専門委員会報告2007)の第9章乳児と幼小児のタンパク質と?で，アルギニンについて全く記述が無いことや，直接は関係ありませんが日本人の食事摂取基準2015の報告にもなにも記述が無いことが不思議に思えたもので質問をしてみました．