Re: 健康・栄養ニュース　第５２号に関して

ビタミンK摂取量のみに着目した場合、ビタミンK含有量が明記され、他の野菜と同等の含有量の青汁であれば、通常の食事の一部として取り入れることは可能と考えられます。

ただし、クロレラや青汁などの健康食品は健康目的に摂取されるため、通常の野菜などを食べるのとは摂取量や摂取頻度が異なります。従って、ビタミンK含有量が記載されていても、通常の野菜などとは異なる考えで対応する必要があります。また、ワルファリンはいろいろな食品や医薬品と相互作用を起こすことが知られています。ビタミンKのみに注意していても、サプリメント製品には他の成分が含まれており、それがワルファリンの薬効に影響する可能性もあります。さらに薬の効き方には個人差があり、影響の受けやすさは人によっても異なります。以上の理由から、安易なクロレラや青汁の摂取は避けた方がよいと思います。

何よりも重視すべきことはバランスの取れた食生活の充実です。ビタミンK摂取量の制限がある場合、青汁で摂取したビタミンKの分を他の食品を制限することで調節する必要が出て来てしまいます。青汁製品や他の健康食品の利用がバランスの取れた食生活の妨げにならない様に注意が必要です。

また、今回の検討は、あくまでも多くの患者さまを総合的に解析した結果であって、お示しした数値（何μg/日など）が個々の患者さまにそのまま当てはめることができるものではありません。また、お示しした許容できる摂取量の値は、新しい情報が出てくれば変わる可能性があります。

ビタミンK摂取量や食事内容の詳細については、担当医とよくご相談のうえ、ご判断ください。