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食事:チョコレート、ココアの栄養価
作・
近藤和雄
:2003/02/14
チョコレートもココアもともにカカオ豆からつくられたもので、ココアは脂肪分を絞ってパウダー状にしたもの、チョコレートはどろどろにしたものを固形にしたものです。
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チョコレートもココアもともにカカオ豆からつくられたもので、ココアは脂肪分を絞ってパウダー状にしたもの、チョコレートはどろどろにしたものを固形にしたものです。
カカオには、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸がそれぞれ1/3ずつ含まれています。一般に脂肪摂取が多いとコレステロールが増加し、動脈硬化を起こすと考えられていますが、パルミチン酸はコレステロールを増加させるものの、ステアリン酸はコレステロールに影響を及ぼさず、オレイン酸はコレステロールを低下させるので、カカオ豆の脂肪は、エネルギー源にはなってもコレステロールの上昇作用は比較的弱いと考えられるのです。しかも、エピカテキン、ケルセチンなどの抗酸化物質が含まれているので、悪玉とされているLDLの酸化変性を防ぐ作用を有していて、動脈硬化抑制が期待されます。 また、含まれている食物繊維からは、軽度のコレステロール低下作用、便秘解消と共に大腸がんの予防が期待できます。さらには、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅などのミネラルが豊富に含まれていて、鉄は貧血、亜鉛は味覚異常、マグネシウムは動脈硬化などの予防に効果を発揮します。その上、カカオに含まれているテオブロミンは、カフェインと同じ構造をしていますが、興奮作用がカフェイン程強くなく、精神のリラックスや集中力を促進させる働きをもっています。
このほか、免疫機能を高め、虫歯予防作用もあるなどの報告があります。 しかし、こうしたカカオの利点があるからといって、とりすぎると、肥満、高脂血症、糖尿病など、生活習慣病をひき起こしかねません。ココア1杯、チョコレート1/3枚がちょうど120kcalですから、1日の摂取量としてこの程度にするのが望ましいといえます。
(国立健康・栄養研究所編『第二版 健康・栄養-知っておきたい基礎知識-』
第一出版
、東京、2001収載。出版社の許可を得て転載)
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