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その他:研究プロジェクト紹介 国民健康・栄養調査の集計

作・由田 克士:2004/04/07


「調査の集計」というと、皆様はどのようなイメージをもたれるでしょうか? おそ らく多くの方が、選択肢に○をつけたり、単純な数字を書いたりするアンケート調査 を集計し、たくさんの結果表をつくることを思い浮かべるのではないでしょうか。

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 健康増進法という法律に基づいて行われる国民健康・栄養調査は、行政が行う調査 としてはかなり特殊なものです。それは、全国の約5千ものご家庭に、ある一日に何 をどれだけ食べたかを、例えば醤油をどのくらい使ったかといったことも含めて、秤 などで測定し、個々、詳細に記録していただくものです。さらに、お住まい近くの会 場にもお越しいただき、血圧測定、血液検査、服薬等についての問診なども行ってい ます。


 このように、“普通のアンケート”とはかなり異なる複雑かつ膨大な資料を基に集 計を行うことが、法律により私たちの研究所の仕事として定められています。調査は 毎年11月に行われますので、全国300地区で行われた調査記録が、12月末に向 けて各都道府県や政令市等から続々と研究所に送られてきます。さながら、クリスマ スプレゼントのようです。そして、年明け早々から私たちの作業の開始です。まず、 膨大な量の“紙束”の確認です。複雑な食事記録の確認もさることながら、お一人お 一人の対象者について、何種類かの調査票や記録表がありますので、まずそれらがき ちんとつながって整理されているかといった、単純ではありますがきわめて重要なこ との確認です。意外なことと思われるかもしれませんが、年齢の誤記等も少なからず あります(対象者数が1万人を超えますので、全体ではかなりの数になります)。こ のように、人手によって丁寧に確認した調査票の内容を入力し、さらにコンピュータ 上と管理栄養士による何段階かの確認作業を経て、初めてコンピュータでの計算・集 計が始まります。そして、調査実施の約1年後には厚生労働省から「結果の概要」が 発表され、一部の結果は新聞等でも報道されています。


 詳細な食事記録を中心として、このようなデータの確認・入力・集計作業には、大 きな労力と時間を必要とするため、その効率化と精度の向上を目指して、私たちは研 究事業として、全国の保健所と研究所とをつなぐコンピュータシステムの研究開発も 行っています。そのようなシステムの成果もあらわれ、数年前と比べて集計にかかる 時間もずいぶんと短縮されてきました。しかし、さらなる改良を目指して、管理栄養 士を中心としたチームが地道な作業を日夜続けています。


 皆様が国民健康・栄養調査の調査結果をご覧になるときには、私たちのこのような 姿を思い出してみてください。


(よした・かつし 国民健康・栄養調査集計業務担当リーダー)



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