【解答】 先ず、白砂糖という食品はございません。
五訂日本食品標準成分表では、車糖の上白糖、ざらめ糖のグラニュー糖、加工糖の角砂糖、氷砂糖の収載があり、これらの食品のいくつかを「白砂糖」と称しているものと考えられます。
砂糖の主成分は蔗糖であり、ブドウ糖と果糖からなっております。蔗糖、ブドウ糖、果糖とも、精製度にかかわらず、体内ではブドウ糖あるいは果糖となって、利用されており、果糖の場合にはブドウ糖より少し複雑な代謝を受けています。
したがって、白砂糖から黒砂糖、果糖などへの転換を求める活動というのは科学的に理解できない活動です。とくに、白砂糖から果糖に転換を求める運動は全く理解できない運動です。以後は、精製度の高い蔗糖を、精製度の低いものに変える運動があるかどうかについてお答えします。
研究所でこの件およびこの件に類似した件に関して公式な見解を発表するまたはしたことはないと記憶しております。
糖についての全般的な捉え方についてのご質問ですが、ここで問題にしている、蔗糖、果糖、ブドウ糖以外にもオリゴ糖、五炭糖など色々な糖があります。したがって、糖全般というと話が大きくなりますので、お答えできません。
砂糖(蔗糖)の摂取が健康上有益かまたは有害かという判断は、蔗糖の使用量について無視した判断でしてはならない判断です。蔗糖の摂取量がその他のエネルギー源となるデンプン、脂質、タンパク質などと比較して多い場合、摂取する総エネルギーが必要なエネルギーより多くない場合、蔗糖が精製されたものである分他の栄養素が取りにくい食生活となっておりますし、他の栄養素が必要量摂取されている場合には、エネルギー摂取過剰(肥満)となりやすくなります。
食生活を評価するときに、特定の成分評価が、その摂取量を無視し、全体の評価を伴わない場合に、本質問のようなものになります。
「食塩は悪い」、「コレステロールは悪い」、「脂肪は悪い」という間違った評価と同列な評価を「白砂糖は悪い」という表現で試みているのかと思いますが、注意したい問題です。
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