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アレルギーとは?

 人の身体には免疫という、身体に害を与える病原菌や毒素等を排除するためのしくみが備わっています。このしくみのおかげで、一度はしかや風疹にかかってしまえば二度とかからなくてすむのです。

 アレルギーというのはこの免疫機能に何らかの異常があって、卵、牛乳、ソバなど特定の食物やスギ花粉、ダニなど特定の異物に過敏に反応してしまう現象で、この現象を引き起こす原因物質のことをアレルゲンといいます。アレルギーにはその症状の現れ方から大きくわけて2つの型があり、即時型アレルギーと遅延型(IV型)アレルギーと呼ばれています。

 即時型アレルギーはさらにI?IIIのタイプに分けられますが、I型アレルギーが最も多く、アナフィラキシー・ショックという極めて激しい症状を引き起こすことがあります。I型アレルギーは、卵、牛乳、ソバ、スギ花粉、ダニなどのアレルゲンにたいして身体がIgEという種類の抗体を作り出すようになったために起こります。これを「感作」と言います。あるアレルゲンに感作された人が次にそのアレルゲンと接触すると、IgEとアレルゲンが反応し、それがマスト細胞に作用します。その結果、ヒスタミンやロイコトリエンの放出が起こって、下痢、くしゃみ、蕁麻疹から呼吸困難やショック症状といった症状を生み出すのです。アレルゲンと接触してから症状のでるまでの時間が数分から十数分と極めて短いために即時型と呼ばれます。即時型アレルギーには他にIgE以外の種類の抗体が関与するII型、抗体とアレルゲンが結合した免疫複合体が主として関与するIII型などが知られています。

 一方、ウルシなどが原因で起こる皮膚のかぶれなどは遅延型アレルギーと呼ばれ、症状がでるまでに一日以上かかることもあります。アレルゲンで感作が起こるのは即時型と同じですが、アレルゲンと反応するのがIgEでなくて白血球の一種であるT細胞であるところが違います。アレルゲンと反応したT細胞はヒスタミンのような激しい作用を持つ物質を放出するのではなく、大食細胞や他のT細胞を呼び集めるような物質を放出します。また血管の透過性を高めたり毛細血管を増やすような物質も出します。集まってきた大食細胞は元来細菌を殺す働きを持っているので皮膚を刺激したり破壊したりします。また繊維素を析出させやすくします。これらの作用が組み合わさった結果、皮膚が赤く腫れたりかゆくなったりというかぶれの症状が起こるわけです。

 なぜある人がアレルギーになりやすのか、特定の食物や異物がアレルゲンになりやすいのか、その理由についてはいろいろな説がありますが、実はまだ詳しいことはあまり分かっていません。今後の研究が待たれるところです。 【廣田晃一】


(国立健康・栄養研究所編『第二版 健康・栄養-知っておきたい基礎知識-』第一出版、東京、2001収載。出版社の許可を得て転載)

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作成:2003/2/28 11:13:36 自動登録   更新:2009/3/2 10:18:07 自動登録   閲覧数:4620
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