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非常食とは

 非常食の条件は長期保存に耐える、調理に手がかからない、持ち運びに便利、栄養価が高く腹もちがよいことです。

 平成7年1月17日の阪神淡路大地震以来、非常食についての関心が大いに高まっています。何を常備しておくべきかは、自然災害が起こる地域の広さや、救助活動が災害発生後、どの程度迅速に行われるかによって異なります。災害地の中心であるか、あるいは周辺部であるのかによって異なってきますが、いずれにせよ、災害発生と同時にガス、水道、電気の使用が不可能になり、これらの復旧には非常に長い月日が必要となります。

 まずは当座の最低3日間の飲食物の確保が問題で、第一に水の確保です。目標は1人1日3リットル、4人家族で3日間で36リットル必要です。蓋付きのポリ容器などで、冷暗所に保管します。災害時には生水は絶対に飲んではいけません。

 非常食の条件は長期保存に耐える、調理に手がかからない、持ち運びに便利、栄養価が高く腹もちがよいことです。具体的には米、包装餅、乾パン、ビスケットのほか、各種レトルトのご飯類、アルファ米など、おかずとして缶詰類、レトルトのカレー、シチュー類のほか、今はフリーズドライ食品も野菜、海藻、惣菜、各種調味スープまで便利なものがたくさんあります。昔からのかつお節、梅干し、こんぶ、するめ、氷砂糖なども悪条件下での食べつなぎ食品として重要です。乳児や高齢者、病人のいる家庭では、ミルク(粉末缶)、高たんぱく高エネルギー流動食缶、スープ(粉末缶)類、栄養調製食品なども必要です。どの食品も保存期限の十分なチェックが必要です。保存期限に合わせた非常食パーティもよいでしょう。燃料と簡単な調理器具も必要です。


 ある病院で実際に非常用食品として備蓄されているものを紹介します。乾パン、ミネラルウォーター、サバイバルフーズ(ビーフライス)、乳児用ミルク、リキッドタイプの経腸栄養剤、補助用具として缶切り、使い捨てコップ、ストロー、哺乳瓶、これらを2日分。このうち、乾パンは5年、水は2年、ビーフライスは25年の保存が可能です。


 ちなみにビーフライスはアメリカ航空宇宙局の組成と栄養価を示すと以下のとおりです。組成:米、にんじん、グリンピース、たまねぎ、でんぷん、加水分解植物たんぱく質、ブドウ糖、砂糖、大豆油、やし油、植物油、香辛料、調味料、塩。100g当たりの栄養価:エネルギー444kcal、たんぱく質19.6%、脂肪14.5%、糖質58.7%、灰分5.6%、水分1.6%です。

 このほか、備蓄されているものは、米、缶詰、冷凍食品、調味料などです。【市川富夫】


(国立健康・栄養研究所編『第二版 健康・栄養-知っておきたい基礎知識-』第一出版、東京、2001収載。出版社の許可を得て転載)
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作成:2003/2/20 11:02:20 自動登録   更新:2009/2/12 16:47:27 自動登録   閲覧数:8333
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