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中高年男性のボート漕ぎ愛好者の血中脂質・リポ蛋白プロフィール



 ローイング(ボート漕ぎ)運動は有酸素運動であるとともにレジスタンス運動(筋力運動)の要素を備えた全身運動です。本研究では日常規則的なローイング運動を行っている中高年男性の呼吸循環器系機能と血中脂質・リポ蛋白プロフィールを検討しました。

 対象者は中高年男性ローイング愛好者17 名(年齢:64 ± 4 歳、体重:69 ± 6 kg、平均±標準偏差)と、ローイング愛好者と体重が一致した運動習慣のない中高年者17 名(65 ± 3 歳、70 ± 7kg)、及び若年ボート選手(22 ± 2 歳、70 ± 4kg)と運動習慣のない若年成人(22 ± 3 歳、69 ± 7kg)それぞれ17 名です。

 呼吸循環器系機能(持久性能力)の指標である最大酸素摂取量(Vo2max)は、中高年ローイング愛好者(3.0 ± 0.4 ?/ 分)が若年ボート選手の値(4.1 ± 0.3 ?/ 分) よりも低かったものの、運動習慣のない若年成人の値(3.1 ± 0.5 ?/ 分)と同レベルを維持し、運動習慣のない中高年者の値(2.2± 0.3 ?/ 分)より著しく高い値となりました。

 中高年ローイング愛好者の総コレステロール(T-C)と、悪玉コレステロールといわれている低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の濃度(T-C:200 ±15mg/dl, LDL-C:112 ± 15mg/dl)は若年ボート選手のそれぞれの値(T-C:158 ± 23mg/dl、LDL-C:77 ±27mg/dl) より高かったものの、運動習慣のない若年成人の値(T-C:185 ± 25mg/dl、LDL-C:112 ± 27mg/dl)、及び中高年者の値(200 ± 15、115 ± 23mg/dl) と同レベルでした。また、中高年ローイング愛好者、若年ボート選手及び運動習慣のない若年成人と中高年者の4群間に中性脂肪(TG)濃度(124 ± 35、80 ± 27、80 ± 44、115 ± 35 mg/dl)、及び善玉コレステロールといわれている高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)濃度(65 ± 8、62 ± 12、54± 8、58 ± 8mg/dl)には差が認められませんでした。

 中高年ローイング愛好者の動脈硬化指数(動脈硬化指数になりやすさ)は若年ボート選手の値よりは高い結果でした(LDL-C/HDL-C:1.7 ± 0.2 vs.1.3 ± 0.4、T-C/HDL-C:3.1 ± 0.2 vs. 2.6 ± 0.4)。

 しかし、運動習慣のない若年成人や中高年者の値よりは低くなっていました(LDL-C/HDL-C:2.1± 0.3、2.1 ± 0.4;T-C/HDL-C:3.6 ± 0.3、3.5 ± 0.4)。

 このように、脚、腕、及び体幹などほぼ全身の筋肉を動員するローイング運動を日常規則的に行っている中高年男性は持久性能力が高く、血中脂質・リポ蛋白プロフィールも動脈硬化予防型になっていることが本研究から示されました。

出典:Serum lipoprotein cholesterols in older oarsmen. Yoshiga C, Higuchi M, Oka J: European Journal of Applied Physiology: 87: 228-232, 2002

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第1巻2号(通巻2号)平成15年1月30日発行から転載
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作成:2008/7/18 15:09:31 自動登録   更新:2009/2/9 16:25:55 自動登録   閲覧数:5637
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