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世界最大規模の毒性データベース「トキシコゲノミクスデータベース」を公開します！！
2011年2月24日
独立行政法人医薬基盤研究所（以下「基盤研」という。）は、医薬品開発に関する基礎研究と開発との「橋渡し」を行うため、複数の製薬企業に共通に必要となる「基盤的技術」の産学官共同研究を推進してきたところです。
その中で、トキシコゲノミクスプロジェクト（第１期：平成１４～１８年度、第２期：平成１９～２３年度 厚生労働科学研究）は、基盤研と国立医薬品食品衛生研究所および製薬企業との産学官連携により医薬品開発へのトキシコゲノミクス（毒性ゲノム学）技術の応用研究を推進し、昨年５月にはこれまでの成果が評価されて、内閣府の産学官連携功労者表彰（日本学術会議会長賞）を受賞しました。（資料１参照）
この度、トキシコゲノミクスプロジェクトで得られた研究成果を広く社会に還元し、製薬企業・バイオベンチャー等の創薬研究を支援するため、第１期プロジェクト（以下「TGP」という。）で構築した世界最大規模のトキシコゲノミクスデータベースを２月２５日（金）から基盤研ホームページより公開することになりましたのでお知らせします。（資料２参照）
データベースのURL http://toxico.nibio.go.jp/
TGPでは、５ヵ年をかけて種々の化合物（医薬品等）をラット個体およびラット・ヒト肝細胞へ曝露した際の遺伝子発現情報および毒性情報を取得し、大規模かつ良質なトキシコゲノミクスデータベースを構築しました。さらに当データベースに解析および毒性予測システムの機能を付加したTG-GATEs（Toxicogenomics Project-Genomics Assisted Toxicity Evaluation system）の開発も達成しています。
今回公開するデータベース（名称：OpenTG-GATEs）は、TGPの研究成果を幅広い企業・研究者に活用して頂くために開発した一般公開用のトキシコゲノミクスデータベースであり、TG-GATEsに格納されているデータ（約８億件）の中から131化合物に係る生のデータ（約７億件）を公開しています。
当データベースの特徴としては、TGPにおいて取得された遺伝子発現データおよび病理所見等のフェノタイプ（遺伝子応答が形質として表現されたもの）のデータを相互に関連づけて閲覧することができます。
また、データの絞り込みにおいては、化合物名を起点とした検索と臓器別病理所見を起点とした検索を行うことができ、絞り込んだ遺伝子発現データをファイルとしてダウンロードすることも可能です。
このように、製薬企業やバイオベンチャー等が世界最大規模のトキシコゲノミクスデータベースを活用して、医薬品候補物質の毒性の事前予測や安全性バイオマーカーの探索が可能となり、新薬開発の迅速化・コスト削減が促進されて日本の国際競争力の強化に貢献できます。
なお、当データベースの具体的な利用方法・活用方法等については、下記に連絡してご相談下さい。
【トキシコゲノミクスデータベースの利用についての相談先】
■独立行政法人医薬基盤研究所 トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト
電話：０７２－６４１－９８２６
e-mail： opentggates@nibio.go.jp
