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食事:きのこの栄養価と健康

作・石見佳子:2003/01/23


きのこ類とは菌類のうちで大型の子実体をつくるものの総称で、我が国では1,000種類以上あるといわれています…

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 きのこ類とは菌類のうちで大型の子実体をつくるものの総称で、我が国では1,000種類以上あるといわれていますが、実際に食用として広く使われているものは約50種です。その主なものは、まつたけ、しいたけ、はつたけ、えのきたけ、マッシュルーム、なめこ、きくらげ、しめじなどです。生のものは、約90%が水分で、糖質5%、たんぱく質2%、脂質0.2%です。β−グルカン、ペクチン、ヘミセルロース、キチンなどの食物繊維が0.5〜2%含まれています。食物繊維は便秘の解消ばかりでなく、大腸がんなど生活習慣病(成人病)の予防に対する有効性が注目されています。抗腫瘍薬として使用されているクレスチンやレンチナンには、各々かわらたけやしいたけから単離された多糖体が含まれており、その中心成分はβグルカンです。
 また、きのこにはビタミンB2、ナイアシンが多く含まれるほか、プロビタミンD2であるエルゴステロールが豊富に含まれているのが特徴で、重要なビタミンDの供給源です。プロビタミンD2はそれ自体にはビタミンDとしての効力はありませんが、紫外線と熱によりビタミンD2に転換されるため、天日乾燥した干ししいたけにはビタミンD2が多く含まれます(生ハウス物:1μg/100g可食部、干し:17μg/100g可食部)。特に、乾燥きくらげにはビタミンD2が豊富に含まれています(440μg/100g可食部)。
 さらに、きのこにはグルタミン酸、5'-グアニル酸などの旨味成分が多く含まれており、その相乗効果によりよい食味を出します。
 一方、きのこ類には毒キノコも多く、毒の成分としてはムスカリン、アマニタトキシン、コリン酸、ファリンなどがあり、中枢神経、各種内臓器官、血液などが障害されるために、誤って摂取すると痙攣、嘔吐、腹痛、下痢、貧血を起こします。毒きのこには、たまごてんぐだけ、わらいたけなどがあります。


(国立健康・栄養研究所編『第二版 健康・栄養-知っておきたい基礎知識-』第一出版、東京、2001収載。出版社の許可を得て転載)



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