2022.4.28
, EurekAlert より:
自制的な子どもは将来、高い学業成績を修め、それが喫煙や飲酒を遠ざけることにつながっている? 小学校低学年時点の性格と、数十年後の健康行動との関連を調査したところ、一定の傾向が明らかになったという。フィンランド、ユヴァスキュラ大学の研究。
健康行動の背景にはさまざまな要因があるが、その1つが性格だ。一人ひとりの行動や反応のしかたの違いは、すでに幼児期には見られる。今回発表された論文では、8歳の子どもをその後42年間追跡し、身体活動、喫煙、飲酒、肥満度指数に関連する子ども時代の社会情緒的行動の役割を調査している。
調査の結果、たとえば自制的な行動−つまり対立する状況において、親切で前向きな行動を取っていた女児は、中年期になるとより多くの身体活動を行う傾向があった。また、他の子供たちと話したり遊んだりするなどといった社会的活動に熱心だった子どもは中年期になると、女性ではアルコール摂取量が多くなり、男性では喫煙をする傾向がみられた。
「自制的な行動は、成人期には優れた自己規律と運動計画を守る能力として現れるのかもしれません」と研究者のケカライネン氏は話している。「一方、社会的活動は、後に喫煙と飲酒を始めるような社会的状況に導いた可能性があります。」
<教育の道のりが重要> 子供の社会感情的行動と中年期の健康行動の間のいくつかの道は教育を経ている。女児の社会的活動と男児女児両方の自制的行動は、青年期の学校の成功と成人期の高等教育とつながりがあった。高い学業成績は、同様に、喫煙とアルコールの使用の減少に関連していた。
今回の結果は、小児期にすでに見られた個人の行動の違いが、直接的およびさまざまな間接的メカニズムを通じて成人期に反映されていることを示唆している、などとケカライネン氏は述べている。
出典は『心理学と健康』。 (論文要旨)
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