2020.7.13
, EurekAlert より:
米国マサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究者らは、人々がSNSでCOVID-19のニュースを見聞きしたとき、そのニュースを他者と共有しようとする彼らの傾向が、そのニュースの正確さを評価する能力を妨げることを発見したという。
COVID-19パンデミックについて最新の情報を保つには、ニュースをきちんと判断する必要がある。というのも、オンラインには様々な誤情報が溢れているからだ。
研究チームは、COVID-19のオンライン誤情報に関して、約1,700人を対象に2020年3月に2件のオンライン実験を行った結果、悪いニュースと良いニュースを発見したという。それは問題の軽減に役立つ可能性のある新たな洞察が含まれているという。
悪いニュースとは、人々がSNSでニュースを読む時、そのニュースを他者と共有しようとする彼らの傾向が、情報の正確さを評価する能力を妨げることである。研究チームは、2つのグループに同じCOVID-19の誤情報ニュースの見出しを提示した。1つのグループは、それらのストーリーを共有するかどうかを聞かれ、別のグループはそれらの正確さを評価するように言われた。参加者は、共有するかどうかを聞かれた場合に、正確かどうかを聞かれた時よりも、32.4%高く、誤情報を選択する可能性が高かったという。
「正確性の判断と共有の意図の間には断絶があるようにみえる」と共同研究者でMITのデビッド・ランド教授は語っている。「人々は、共有するかしないかを決めるときよりも、正確性の判断をするときに、洞察力を高めるようだ。」
良いニュースとしては、クリティカル(批判的)に考える、あるいはより科学的に考えるようになった人々は、誤情報のシェアが少なくなるということが挙げられるという。正確性について直接問われると、大部分の人が十分合理的に正確なニュースを選択するようになった。
本研究では、過剰共有の解決策も提供するという。参加者はセッションの開始時に、ひとつのCOVID-19以外のニュースを提示されその正確さを評価するように求められると、共有するCOVID-19ニュースの質が向上した。
「最初に正確さについて微調整すると、後で共有するものを選択するときに人々が正確さの概念について考える可能性が高くなる。そのため、共有を決定するときは、より多くの正確さを考慮するようになる」と共同研究者のアーウィン・シェル准教授は語っている。
出典は『心理科学』。 (論文要旨)
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