2019.10.30
, EurekAlert より:
高血圧、2型糖尿病、心疾患、脳卒中の既往のある中年成人で、1日6時間未満しか眠らない人は、がんと早死の高いリスクがあるようだ、という米国ペンシルバニア州立大学からの研究報告。
「我々の研究が示唆しているのは、十分な睡眠は人々を健康にしリスクから遠ざける効果があるということである」と筆頭研究者のジュリオ・フェルナンデス=メンドーサ准教授は語っている。
研究チームは、『ペンシルバニア州成人コホート』の参加者でのうち「ステージ2高血圧または2型糖尿病」および「心疾患または脳卒中」という2群に分類される20-74歳の1,600名以上の成人(半数以上が女性)のデータを解析した。対象者は1991年から1998年の間に睡眠研究室における研究で1泊して睡眠状態を測定されていた。2016年まで追跡調査され死亡原因などが調べられた。
その結果、512名の死亡が確認され、うち3分の1が心疾患か脳卒中、4分の1ががんによるものだった。
高血圧か糖尿病の患者で睡眠時間が6時間未満の者は、心疾患か脳卒中で死亡するリスクが2倍高かった。
心疾患か脳卒中の患者で睡眠時間が6時間未満の者は、がんで死亡するリスクが3倍高かった。
高血圧か糖尿病の患者の早死のリスクは、6時間未満の睡眠ではほとんど変化しなかった。
「短時間睡眠は、長期の健康予測における有用なリスク因子であり、臨床においては主要な標的とされる可能性もあるだろう」とフェルナンデス=メンドーサ准教授は語っている。「私は、睡眠に関する政策を変更して、ヘルスケアシステムの一部に組み込むべきだと思う。特殊な睡眠問題を持つ人々を発見してそれを改善することで、より効果的な治療、良好な長期予後につながるだろう。」
ただ、本研究において睡眠は1夜の観察に基づいているが、通常最初の夜は眠りの質が悪くなるので注意が必要だという。
出典は『米国心臓学会雑誌』。 (論文要旨)
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