基礎代謝に占める筋肉、内臓の割合が資料によって大きく異なっています。

例 資料1:筋肉38%、肝臓12.4%、胃腸7.6%、腎臓7.5%・・・(出典:NHKおよび栄養学ハンドブック) 

資料2:筋肉53.3%、肝臓23.3%、脳3.3%・・・(出典: https://www.naoru.com/kisotgaitya.htm

正しい資料、または公式に認められている数値があればご教示願います。

Requested by ゲスト and Answered by ゲスト on 12-Sep-2011 09:34

基礎代謝に占める筋肉、内臓の割合が資料によって大きく異なっています。

例 資料1:筋肉38%、肝臓12.4%、胃腸7.6%、腎臓7.5%・・・(出典:NHKおよび栄養学ハンドブック) 

資料2:筋肉53.3%、肝臓23.3%、脳3.3%・・・(出典: https://www.naoru.com/kisotgaitya.htm

正しい資料、または公式に認められている数値があればご教示願います。

確かに、基礎代謝に関しては、何種類か、全く異なる数値を見かけますね。


どれが正しいと断言することはできませんが、
お知らせいただいたような、特に国内でよく見かける数値は、
文献の孫引きが繰り返されてきたもので、
どのようにしてそうした数値が出てきたかが明確ではありません。




基礎代謝量の内訳として、国際的によく引用される数値は、
以下の文献に引用されている、下記のような数値です。

Gallagher D, et al. Organ-tissue mass measurement allows modeling of REE and metabolically active tissue mass. Am J Physiol Endocrinol Metab 275: E249-E258, 1998.
https://ajpendo.physiology.org/content/275/2/E249.long


表.安静時における臓器別エネルギー消費量.
重量(kg) 代謝率(kcal/kg/day) 代謝量の割合(%)
骨格筋 28     13           21.6
肝臓  1.8    200           21.3
脳   1.4    240           19.9
心臓  0.33   440            8.6
腎臓  0.31   440            8.1
脂肪組織 15    5            4.0
その他 23.16   12           16.5
計   70                100.0


各臓器の重量としては、"Reference man"という、
解剖結果に基づく白人男性の標準値が用いられています。
Snyder WS, et al. Report of the Task Group on Reference Man. Oxford, UK: Pergamon, 1975.


各臓器の代謝率は、様々な報告の結果をまとめた、
以下の文献から引用されています。
Elia M. Organ and tissue contribution to metabolic rate. In: Energy Metabolism: Tissue Determinants and Cellular Corollaries, edited by JM Kinney and HN Tucker. New York: Raven, 1992, p. 61\x{2013}80.



日本人の結果は含まれていませんが、
・方法論がしっかりした結果を用いていること
・根拠がはっきりしていること
から、この結果を用いるのがベストだと思います。


田中茂穂

This Q&A was found on 健康・栄養フォーラム : https://ebis.nutritio.net/hn/modules/smartfaq/faq.phpfaqid=1472