東北医工連携事業

独立行政法人 医薬基盤研究所(NIBIO)

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高精度超音波画像診断装置の開発

岩手県

事業責任者

岩手医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授 志賀 清人

開発及び医師主導治験の概要

(1)実用化予定の医療機器・医療材料・体外診断薬の概要

マイクロバブル化した造影剤を使用して得られた超音波画像をデータ処理(腫瘍血管内のバブルの軌跡を手ぶれのない撮像から四次元血管像を抽出)することによって、従来のX線CT、MRI、あるいはPETで診断不可能であった原発がんや転移性がんを画像診断できる高精度超音波診断装置。

(2)事業着手時点の開発概況

既存の高機能超音波診断装置を使用することによって、マイクロバブルの血管内動態が把握できており、頭頸部癌症例の不顕性リンパ節転移検出に成功している。現在、より高精度な画像描写のための手振れがなく、定速でスキャンが可能なアームとプローブの改良を行っており、同時に四次元画像描写のためのソフトウェアを開発中である。

転移リンパ節内の血管形状の経時変化
高精度超音波画像診断装置の開発

(3)医師主導治験に付随して実施する研究開発・前臨床試験の実施計画

  1. ① 高精度4次元超音波血管構築法のアルゴリズムの開発
    これまでに、本申請者らは、マイクロバブルと高周波超音波イメージング装置(小動物用、最高周波数80MHz、現有設備)を使用して腫瘍内の画像データを蓄積してきた。この画像データを用い、マイクロバブルの運動特性を考慮した高精度超音波画像解析に必要となる基本画像処理アルゴリズムを開発する。
  2. ② 高精度4次元超音波血管構築法のin vivoでの検証
    1.前項で開発された4 次元超音波血管構築法を用いて、転移リンパ節内の血管構造を4次元的に抽出し、血管の時間的構造変化と転移因子との相関を明らかにする。
    2. HE染色、 免疫染色(CD31、 LYVE-1)で新生血管およびリンパ管新生の血管密度を評価し、4次元超音波血管構築法で得られる実験結果と対比することで、開発した血管構築法の精度を評価する。
  3. ③ ソナゾイドの頭頸部がんへの適応拡大の検討
    マイクロバブル造影剤perflubutane(ソナゾイド)は現在肝癌と乳がんの診断用にしか適応がない。機器開発と平行して診療適応拡大を目的に臨床治験の可能性を検討する。

(4)医師主導治験の実施計画

平成25年度から臨床研究と機器の改良、平成27年度から医師主導治験を開始する予定。

平成24~27年度の実施計画

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