日本人の食事摂取基準2015のエネルギー

日本人の食事摂取基準2010では，報告書の61ページに，「エネルギーの食事摂取基準：推定エネルギー必要量」の表が掲載されていますが，一方，2015年版では，「摂取基準の概要」P3の表1に，基準を策定した栄養素と設定した指標としてエネルギー産生栄養素バランスが目標量として策定されたことになっています．しかし，P6の7.策定した食事摂取基準
には，最初に”エネルギー”の項目がありますが，P7の推定エネルギー必要量の表は「参考表」となっていて，タンパク質や脂質のように「摂取基準」とはなっていません．つまり，2015年版では，エネルギーの摂取基準は策定しなかったが，実際に活用する際には，推定エネルギー必要量を使いなさいということなのでしょうか？2010年版で摂取基準だったものを参考表に格下げ（？）した理由が良くわかりません．どなたか教えてください．

お問い合わせいただき、ありがとうございます。各論の「エネルギー」のところに書かれている通り、エネルギー摂取量とエネルギー消費量のバランスはBMIとして現れるため、ある性・年齢階級・身体活動レベルごとに一つの値を示すのは不適切との判断から「参考資料」になりました。よって、小児や妊婦・授乳婦など身体に変化の著しいライフステージの者を除き、エネルギー収支バランスはBMIを用いることになっています。
栄養疫学研究部
瀧本