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  1.ラベル化試薬を活用した抗体医薬の開発に資する創薬標的探索技術の確立
  2.新規フォーマットを持つ抗体誘導体の開発
  3.エピトープに着目した抗体の特性解析技術
  4.ファージ表面提示法を利用したタンパク質ライブラリの作製とその応用
 
【研究背景】
1.ラベル化試薬を活用した抗体医薬の開発に資する創薬標的探索技術の確立
病態組織の細胞膜上に発現する膜タンパク質は、抗体医薬の創薬ターゲットとして重要な分子である。そのため、膜タンパク質の解析が、様々な手法を用いて行われているが、抗体医薬のターゲットとして、実際に探索に成功した例は殆どない。 その理由として、①創薬標的として抗体が到達する部分に多く発現する分子が特定されていない、②病態細胞の膜タンパク質の解析に終始し、細胞・組織の局所的な発現動態に着目していない、等の原因が考えられる。 そこで、我々はこれらの問題を解決すべく、新規ラベル化試薬を用いた創薬ターゲットの同定を試みている。我々は、組織中に含まれる多量タンパク質の排除を目的として、新規ラベル化化合物とそのラベル化化合物特異的に結合する変異タンパク質の作製を通じて、 創薬ターゲットの探索に取り組んでいる。特に、これらの化合物を、モデル動物等に対して還流させる「in vivoラベル化技術」を適応し、実際に抗体医薬を投与した際の、動態特性にも念頭においた創薬ターゲット探索に取り組んでいる。



2.新規フォーマットを持つ抗体誘導体の開発
抗体医薬の開発においては、新規のフォーマットを持つ抗体誘導体の作製が、実用化に向けて有利なアプローチとなる。 我々は、体内に存在するタンパク質の中から、必要な薬物を効率よく送達するための基盤技術を開発している。 近年、抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC)をはじめとする、様々な抗体誘導体が作製され、臨床応用されつつある。 これらの抗体誘導体の開発技術については、既に開発済みのものを含めて、科学的な合理性の乏しい研究分野でもある。 我々は、今後の次世代抗体医薬の台頭を見越して、新しいフォーマットを持つ抗体医薬の開発を進めている。 特に、我々は、がんのアクティブターゲティング技術として開発が進むADCを念頭に、新しい抗体フォーマットの作製を進めている。



3.エピトープに着目した抗体の特性解析技術(抗体デザインプロジェクトと共同)
抗体は本来、生体防御機構の中心を担う分子として機能しているが、その本質は、タンパク質のもつ構造情報を「結合すること」で分子認識し、その機能を制御することにある。 特に、抗体が結合するエピトープは、抗原の持つ機能と相関しており、機能性抗体を作製する上で、エピトープの解析は極めて重要な情報となり得る。 我々は、この抗体が結合しているエピトープの静的・動的解析を通じて、抗体のもつポテンシャルを発掘し、治療薬開発に最適な抗体を見つけ出すために技術開発を進めている。



4.ファージ表面提示法を利用したタンパク質ライブラリの作製とその応用
我々はこれまでに、ファージ表面提示法を有効活用し、様々なタンパク質の変異体、ならびに抗体分子を基盤とするタンパク質・ペプチドライブラリの作製に成功している。 これらのライブラリから、疾患の発症や治療に有用な機能性分子を高速にスクリーニングし、それらの構造情報から、タンパク質のもつ機能ならびにそれらを標的とした治療法開発にむけた取組みを進めている。 我々は、様々な疾患の発症や悪化に寄与していることが明らかになっている腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーを標的として、これらの分子に対する治療薬候補の探索を進めている。


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