メニューをスキップします

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

ホーム > PR > プレスリリース > 脳内炎症と­統合失調症­とをつなぐ­新たな分子­を発見~未­だ根本的な­治療法の存­在しない統­合失調症の­原因を解明­する新たな­モデルマウ­スとして期­待~­

脳内炎症と­統合失調症­とをつなぐ­新たな分子­を発見~未­だ根本的な­治療法の存­在しない統­合失調症の­原因を解明­する新たな­モデルマウ­スとして期­待~­

2024年10月23日

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府茨木市 理事長 中村祐輔) 創薬デザイン研究センター生体機能分子制御プロジェクトの宮本洋一主任研究員は、細胞核輸送ダイナミクスプロジェクトの岡正啓プロジェクトリーダー(現大阪大学微生物病研究所 講師)、大阪大学蛋白質研究所の櫻井航輝助教(現エアランゲン大学)/疋田貴俊教授らのグループ、並びに大阪大学大学院薬学研究科、福井大学大学院医学研究科、Hudson Institute of Medical Research (オーストラリア)との共同で、核輸送分子Importin α4(遺伝子名Kpna4)が、脳内炎症や精神疾患様の行動異常発症に関連を持つ分子であることを発見しました。

この研究では、㋐Importin α4遺伝子ノックアウト(KO)マウスが、不安水準の上昇、社会性の低下、プレパルス抑制障害といったヒトの統合失調症と類似した行動異常を示すことを見出しました。また、㋑その行動異常の原因を探索した結果、Importin α4が本来持つ核輸送機能ではなく、遺伝子発現を制御するクロマチン制御能の不全が炎症性サイトカインの発現を亢進し、脳の炎症を高めることを発見しました。本研究は、Importin α4が「脳内炎症」と「統合失調症」とをつなぐ重要な機能分子である可能性を示した世界で最初の報告となります。

本研究で開発されたマウスは、統合失調症が示す複雑な分子メカニズムを解明するモデルマウスとして、今はまだ根本的な治療法が存在しない統合失調症の疾患治療薬開発等に活用されることが期待されます。

本研究成果は2024年10月8日に「Translational Psychiatry」に発表されました。

ウェブサイト:https://doi.org/10.1038/s41398-024-03138-w

詳細は、こちらをご覧ください。

トップページ「新着情報」欄に表示する画像


研究成果 / イベント / 公募 / お知らせ のいずれかを入力してください。

研究成果