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国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

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肝臓の炎症を防ぐ特殊なマクロファージを発見  ~腸内細菌の刺激による免疫反応を抑える方法とは~

2024年4月25日

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府茨木市、理事長:中村祐輔)創薬デザイン研究センター創薬イメージングプロジェクトの石井優 プロジェクトリーダー(大阪大学大学院医学系研究科免疫細胞生物学 教授)、大阪大学大学院医学系研究科免疫細胞生物学の宮本佑 特任研究員(常勤)らの研究グループは、肝臓の入り口付近に分布する一部の常在性マクロファージが腸管から入ってくる腸内細菌やその関連物質から肝臓を保護していることを明らかにしました。

肝臓には、腸管で吸収された栄養素の他に、腸内細菌やその関連物質がしばしば入ってきます。通常の肝臓ではこのような炎症誘導性の刺激に対して免疫系が過度に反応しないように制御されていますが、そのメカニズムはよくわかっていませんでした。

今回の研究では、肝臓の生体イメージングによる炎症細胞の動態解析技術と組織内の位置情報を保持した1細胞遺伝子発現解析技術を独自に開発することで、肝臓の入り口付近に分布している"衛兵マクロファージ"が、腸管から入ってくる腸内細菌やその関連物質によって引き起こされる炎症から肝臓を保護していることを解明しました。さらに、一部の腸内細菌が産生する二次胆汁酸のイソアロリトコール酸が"衛兵マクロファージ"を誘導することを明らかにしました。今後、イソアロリトコール酸を用いて肝臓内の"衛兵マクロファージ"を増やすことで、肝臓の炎症を防ぐ新しい予防・治療薬の開発が期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Nature」に、4月25日(木)0時(日本時間)に公開されました。

論文URL

https://www.nature.com/articles/s41586-024-07372-6

 

 

詳細は、こちらをご覧ください。

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